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二・三十代へ「政治的・経済的・社会的」負担を押し付ける選挙に

2021.10.25 06:05

【政治考察】 令和三年十月三十一日に『衆院選』が投開票される。今回の選挙は政権選択の選挙。自公連立と立産同盟のどちらに政権を委ねたいか。


そこで政党・政治家が重んじる数字が投票率。投票の呼び掛けや政策立案は、基本的に『年代別投票率』を見てターゲットを決める。これは企業のマーケティングに同じだ。投票する確率の高い年代へ政治活動・選挙活動を行う。


選挙運動期間は、十二日間と定められている。限られた時間内に効率的にマーケティングをし、自身の名前を書いて貰える様に動く。投票率の低い世代へは、効率・確率が低いので、マンパワーを割く事を控える。至って当然だろう。



<自身ならどうする?>

 さて、上図は衆院選の参考となる最近のデータだ。七月の「都議選」における年代別の推定投票率。都選管が集計した。自身が政治家ならば、どの年代から選挙マーケティングを仕掛けようか。


時間は限られている。都議選では衆院選・参院選よりも短い。全世代へ選挙マーケティングを行うだろうか。通常、各陣営は過去の選挙の『年代別投票率』を参照しているので、都内で今回に立候補している陣営は七月の都議選を参照する。すると六十代・七十代以上・五十代の順番に選挙マーケティングをするのではないだろうか。


平均を下回った四十代・十代・三十代・二十代へ、選挙マーケティングするだろうか。特に二十代に至っては、最高投票率の六十代の半分。二十代には、六十代の倍の選挙マーケティング(マンパワー)を割かなければならない。率が悪くないか。


だから政治家は、シニアに重点を置いて選挙マーケティングしている。シニアが喜びそうな政策を考え、街頭で訴える。



十代を狙う

 しかし野党は、このままでは自公に勝てない事を知った。よって、『年代別投票率』から自公に染まってない十代へ政治マーケティングを仕掛けてきた。大学の学費問題や主権者教育等だ。二十代と三十代は後回しの方が率が良い。四十代は安倍・菅両内閣が氷河期世代へ支援をした為、野党としてはメリットを与えるのが難しい。


如何だろうか。今回の衆院選では、その十代を選挙マーケティングで狙う為に野党は若者・若手の候補者を与党よりも多く出している。「若い人でも起用するよ。若い人の意見を聴いているよ。」というアピールだ。「bizlinTV」の映像取材群からも分かるだろう。分かり易過ぎる程に若者・若手を共産・維新・立憲は推している。


選挙でメリットが無いと、行っても意味が無い。例え野党でも議席数をある程度に確保すれば、国会内で発言力を持ち、質問時間等が増え、意見が通る。与党の意見が常に百㌫通る訳ではないのだ。だから野党は強気である。今回は与党が議席を減らすと報じられている。



二・三十代の投票率次第で自身達の負担増へ

 ならば、その減った議席を獲る事ができる。足立区の様に首都圏は「若者・若手合戦」、ないし「若者・若手vs中堅・シニア」の構図が全国にて出来上がっている。凄い国政選挙だ。そして一部のシニア勢が非常に劣勢である事が既に伝わっている。


今回の衆院選で特に若者が投票率を上げる事によって、若者にメリットがある政治が実現する。公明は、十八歳までに全員十万円を配りたいそうだ。如何に十代を重視しているか。二・三十代はどうか。


若者の投票率が中堅・シニアに迫れば、政治は間違いなく変わる。職を失うので当たり前だ。今回の衆院選で二十代・三十代は幾つの数字を叩けるかで未来は間違いなく変わる。何もしなければ、二十代・三十代の意見は決して通らないだろう。投票しない者にメリットは何もない。別の世代のメリットの為に、今まで通りに二・三十代へ負担を背負い続けるだけなのだ。随分と、ゆとり世代だけが狙われているのは気のせいだろうか。


そう、この選挙は更に若者・若手に負担を強いるか、否かの選挙でもある。


期日前投票は始まっている。


記事:金剛正臣

画像:FPhime