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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

ナポレオン23-ジョセフィーヌ椅子をもて!

2021.10.25 09:41

「女とパリは留守にしてはだめだ」とナポレオンが言ったということだが、コルシカ生まれのナポレオンは、女性に対しては封建的で男性中心である。ナポレオン法典の中でも、女性は夫の後見のもとにあると書かれている。もっとも彼自身かなりパリを留守にして最後に失敗した。

帝政になってからは、奔放な妻ジョセフィーヌにもドレスコードを要求し、胸の大きく露出するファッションは、出がけにも容赦なく脱がした。おかげでギリシャローマ時代の流行もあって、女性のファッションは、直線的なものになり、男性は黒を中心としたシックなものになった。

演劇には特に介入し、夫を裏切る女性や誘惑に乗る女性の演劇はできず、さらに喜劇も好まれなくなった。王や皇帝の偉大さを演じる劇は好まれ、マクベスなどは禁止された。ヒトラーやスターリンもそうだが、独裁者の時代は、いい文学もいい演劇も生まれにくくなる。

しかし男性は、不倫もおかまいなしで、皇帝自身があちこちで愛人をつくった。そういうわけで、パリにはかなりの数の売春婦が居て商売をしていた。パリ市内ではギャンブルはOKで、パレロワイヤル近辺で開かれていた。表と裏があって、品行方正な時代とはおせじにも言えなかったようだ。