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Classic Music Diary

Re:Visions

2021.10.25 12:52

Dirk Maassen                     (SCI). 96Khz/24bit

ドイツのピアニスト兼作曲家Direk Maassen。ソニークラシカルから3枚目の作品。ネオ・クラシック系だがミニマル・ミュージックと呼んでいいと思う。スピリチュアル、ヒーリング、メディテーション、そんな言葉が浮かぶような曲調を持っている。

1970年生まれなので今年で51歳。経歴はちょっと変わっていて、一度はプロになろうと思いCDも出したが、音楽活動はやめてエンジニアとしての仕事をしていた。2010年より音楽の世界に戻り始め、自作曲をオンライン上にアップしているうちに反響が出て、2019年にメジャーレーベルのソニークラシカルと契約をするに至った。今はもうサラリーマンはしていないだろう。

エモーショナルな盛り上がりを抑えた平穏な美しいメロディは、いかにもドイツ人が好きそうな少し暗めの落ち着いた曲。ウィンダムヒルから華やかさを抜いたような感じだ。渋滞につかまってイライラしている時などに聴くと心が休まるような音楽というのがわかりやすいかもしれない。30年前ドイツに数年住んでいたことがあるが、当時のドイツ人の生活習慣は仕事は当然6時前にやめて帰宅。家では灯りを抑えめにした暗めの部屋で静かに過ごして早く寝るというのが普通だった。そういう夜の雰囲気の中では見事にハマる音楽。

ソニー以前にもアルバムとしては5−6枚出しているが一貫して同じインストメンタル・ピアノのスタイルを貫いている。彼自身は何も変えていないが今では全世界で最も再生回数が多いピアニストのひとりとなっている。時代がこのような音楽を求めているということなのだろう。