ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第13話
友人であり至上主でもある
クリシュナは、
苦悩するアルジュナに対して、
人生の義務とヨーガについて
語ります。
「アルジュナよ。
宇宙の取扱説明書の様なヴェーダは
主にこの世界の3つのエネルギー(徳性、激性、無知性)について
教えている。
だが、 この3つのエネルギーや
何かを比べること(善悪、損得など)
を超えて自由になりなさい。
純粋な徳性のエネルギーを保って
お金儲けや財産を守ることに
心をわずらわせることもなく、
うちなる知性を使って
魂としての自分を確立しなさい。
たとえば大きな湖は、
井戸の役目をすべて果たす。
同様に、
至上者を大切にすれば、
ヴェーダやありがたい教えで
示されている人生の目的は
すべて果たされる。
ヴェーダの本当の意味をを知る
賢いものは、このことを知っている。
君には、
定められた義務を行う権利はあるが、
行為の結果について決める資格はない。
決して、
自分が行為の結果を決められる、
自分の努力で結果が得られる、
とは考えてはいけない。
また義務を果たすことに
手を抜いてもになってもいけない。
アルジュナよ。
『バクティ・ヨーガ、
主を大切にしすることに結びつけて
義務を忠実に行うこと。
そして成功と失敗とに関する
あらゆる執着を捨てる。』
このような心の平静のことを、
本当のヨーガと言う。
アルジュナよ。
見返りや結果を求めて仕事をするのは、
奉仕の精神で仕事の結果を
主に捧げるヨーガ(生き方)
よりも、ずっとおとっている。
すべての結果を
至上者に委ねていつも活動せよ。
結果を期待して働くのは
あわれな人間であり生き方である。
仕事の結果を気にせず、
気持ち(知性)をいつも至上主に
結びつけた人は、
既に現世において
善悪や損得にとらわれた行為から離れている。
ゆえにアルジュナよ。
このヨーガ(生き方)を実践しなさい。
これこそあらゆる仕事の秘訣なのだ。
知性が至上主とつながった聖者は、
行為の結果を捨てることによって、
生と死の束縛から解放され、
不安のない、
ヴァイクンタ(精神界)という
主の住処に達する。
知性が幻影のジャングルから脱け出ると、
いままで聞かされてきたことと、
これから聞くであろうことの、
すべてをクリアな視点で見られるので
惑わされない。
君の心がヴェーダやありがたい教え
の物質的な聞こえのいい言葉に
決して惑わされることなく、
至上主を瞑想し
サマーディー
(なににもとらわれず没頭している状態)
に入ると、
ヨーガの果実に到達する。」
…続きはまた明日。
(今日は2章45-53節まででした)