Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

すんぷ訪問リハビリコミュニティ「語Reha"」

かたりばオンライン定例会に参加して

2021.10.26 04:00

ハロウィンの飾り付けをあちこちで見掛ける時期となりました。

近頃、急に身に染みる寒さを感じるようになりましたが、皆様はお元気でしょうか。

 

訪問看護ステーションハーティ(おもて循環器科)の理学療法士の小野です。

 

我々、すんぷ訪問リハビリコミュニティ「語Reha"」(かたりばと読みます)は年に4回のペースで定例会を行っており、皆が気兼ねなく相談が出来るように、少人数のグループで日頃の悩みを共有したり議題に沿って語り合ったりしています。

新しい仲間として2名の言語聴覚士を迎えた計12名・11施設の皆さんで大きな盛り上がりを見せた、今年度の第3回となる10月のテーマは「訪問業務なんでも相談会」です。

 

今回は2つのグループに分かれて日頃の悩みを相談し合いました。

 

グループ1は「訪問リハのスタッフ教育における工夫」について話し合いました。

訪問リハは、対象者のご自宅に一人で伺うことが多いため、訪問する度に変化する対象者の身体情報や生活状況などに対して、その場で下す判断の多くが訪問者個人に委ねられます。

そうした現場に新しく配属されたスタッフに対して、教育者としてどのように対応すべきでしょうか?

 

そもそも論として、教育者側が訪問に関する教育を受けてきたか否か、という構造的問題も横たわっており、病院や施設等と比べて従事者の絶対数が少ない訪問では、システム化された教育プロセスを歩むことなく経験を積んでいることが少なくありません。

であれば、訪問の世界に初めて飛び込んだ時の環境因子は多分に配慮されるべきだと思います。

従来は“下”から発信しなければ教育体制が成立しない構図もあったと考えられますが、現在はそれだけでなく、むしろ“上”から積極的にコミュニケーションを取りに行く・気に掛ける・新しい価値観を吸収する、といったスタンスが求められていることを肌で感じます。

 

そのため、教育者のスタンスとしては、相手の学んできたことや相手の強みが理解出来るように雑談や面談を組み合わせながら対話を行い、自発的な相談や行動が得られるような関わりを根気強く行うことが重要である、ということで理解を深め合いました。

とは言え、教育者も一人の人間で全てを請け負うのは酷であり、教育者自身も相談出来る相手や窓口が必要であると思います。

ちなみに、私にはまだまだ根気が足りないと痛感した次第です。苦笑


一方、グループ2は「スケジュールの管理・組織のマネジメント・自己省察や自己研鑽」について話し合いました。

訪問リハにおける個々のスケジュールは、事業所の実情やワークライフバランス等により1日何件といった具合に定まりますが、急な入院等により訪問の枠が突然空くことが往々にしてあります。

そのような場合、皆さんはどう対応しているでしょうか?

 

ここは事業所によって対応が分かれるところではありますが、例えば入院期間や入院中の状態に合わせて2週間や1ヵ月とある程度期限を設け、その都度タイムリーにケアマネ等と情報共有し、その空いた枠をそのまま空けておくか新規を受け入れるかを検討していくことも現実的な対応として考えられます。

場合によっては、最長何ヶ月と上限を設けたり一度打ち切った後の状態に応じて再契約したりといった幅を持たせた対応を取ることも考慮されます。

まずは枠を空けておき、その都度状況確認をしながらケースバイケースで臨機応変に対応していく、といったところが基本的なスタンスかと想像します。

 

組織のマネジメントについては、訪問看護ステーションと訪問リハビリ事業所では異なるであろう前提のもと、主に訪問看護ステーションにおけるマネジメントについて再考してみました。

基本的に、所長(看護師)を軸としたスケジュール管理・新規の受け入れ・書類管理・事業所間のやり取り等がなされることが想定される中、therapistとしてどの程度マネジメントに関与しているでしょうか?


事業所によっては、自分の予定を自分で決める・契約時に看護師と同行訪問し初回評価を行う等、ある程度のセルフマネジメントや現場で執り行われる多職種連携・情報共有が自然と出来ており、そうした業務体制は望ましい環境と言えると思います。

そこに、対話を通じた精神的な関わりも包括出来ると、より理想的なマネジメントと言えるかもしれません。


自己省察・自己研鑽については、基本的に一人での時間割合が多い訪問業務において、対象者への評価や治療が「本当にこれで良いのか?」という自己省察の時間を確保しておくことが好ましいと考えられます。

また、自分の知識や技術をブラッシュアップする意味でも、自己研鑽や同行訪問・複数担当制等の体制作りや動機付けは重要になってくるだろうと思います。

特に、少数組織や訪問割合の多いスタッフはよりその重要性が増し、自ら“新しい血”を取り入れるために積極的に“外”との関わりを持つことが必要だと思います。

そうした観点からも、カジュアルに包摂された相談窓口である語Reha"は大変貴重な存在で、多様な考えや新たな視点に触れることが出来るのです。



日々の業務や生活に追われ、熟考や再考する機会が失われつつある社会的潮流の中で、少なくとも我々のタスクは「数をこなせば良い」というものではないはずで、そのqualityの追求は永遠のテーマであろうし、innovativeな発想や周囲を巻き込むpassionに対して常にドアを開けておきたい、と我々は心掛けています。


当然ながら、情報共有も自己省察もどちらか一方に針が振り切るのではなく、対象者と向き合う中で捉えるソリューションを積み上げつつ、時に勇気を出してコンサルテーションするようなバランス感覚を持ち合わせていたいですね。


今回は、全体でのディベート時間が少なかったものの、自然発生的にアクティブな意見交換が出来たことを嬉しく思うとともに、そうしたポジティブな姿勢を語Reha"は心から歓迎します。

今回参加が叶わなかった仲間や語Reha“に参加されていない皆様を、地域で働く人間の力になれる語Reha”は、

 

『強制力も拘束力もない、自由で多種多様なコミュニティ』

 

として、いつでもお待ちしております。

時に、ユーモア溢れる笑いを織り交ぜながら楽しく活動することが出来ているのも、素敵な仲間に支えられているからこそですね。

 

さて、次回の定例会は2022年1月19日(水)の予定となっております。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

最後までお読み頂き有難うございました。