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1983年の東京モーターショー

2021.10.27 03:14


 最近は隔年開催されている東京モーターショーが最後に開催されたのは2019年でしたので、今年は第47回目の開催が予定されていましたが、新型コロナウィルス感染症の影響で開催は中止されてしまいました。東京モーターショーは商用車を含む様々な自動車がショーケースされるイベントですが、2000年代初頭には乗用車・2輪車のショーと商用車のショーが一年おきに毎年開催されていたことを鑑みると、最近のバスの展示にはやや不満を感じている人も少なくないのではないでしょうか。

マイカーが普及するまでは商用車が日本の自動車の「花形」であったと言われていますが、個人的に足を運んだなかでは、最もバスが輝いていたのは1983年に開催された第25回であったと思っています。

1980年代に入ると、日本各地で2階建てバスに代表される輸入バスを導入する機運が高まっていました。以前にご紹介したように、はとバスも1982年暮れに初のダブルデッカーを西ドイツ(当時)から輸入し、1983年正月から定期観光バスとして運行を開始すると同時に、1983年夏には同じく西ドイツからUFC式スーパーハイデッカーを貸切用に導入しました。

このような環境下、国産の2階建てバスを期待する声も多く聞かれるようになり、それに応えるかのように、国産メーカー3社からは2階建てバスの試作車を東京モーターショーに参考出品するという報道もありました。

いざ東京モーターショーが開幕し、当時の開催地であった晴海の会場に行ってみると、日産ディーゼル、日野、三菱の各社それぞれが2階建てバスを参考出品していました。また、国産バスのみならず輸入車も展示され、何と7台もの2階建てバスやスーパーハイデッカーバスがそろい踏みをし、バスとしてはかつてないほど華やかなショーとなりました。

実は、これらのバスが注目を集めましたが、その他にも前年暮れに登場した三菱エアロバスが初めて東京モーターショーで展示されたり、いすゞが「キュービック」な路線バスを参考出品するなど、実に見ごたえのあるショーでした。

最近はバスの展示が少なくなってしまった感がありますが、これからも魅力的なバスが東京モーターショーに展示され続けることを願うばかりです。

写真① 日野の2階建てバスGRAND VIEWもこの東京モーターショーで参考出品されました。写真は近畿日本鉄道に納車された市販車です。


写真② 既にはとバスで活躍をしていたケスボーラー社のUFC式スーパーハイデッカーも出品されました。出品されたバスは後にはとバス3台目の同型車として納車されました。写真は同型車です。


写真③ 路線バスの意欲作「キュービック」も参考出品されていました。後に市販化されましたが、写真は鹿児島交通のバスです。