第19回日本生殖看護学会学術集会セミナーの講師を務めました
理事の櫻井が第19回日本生殖看護学会学術集会セミナーにて「離島における不妊治療と支援の状況」というテーマで講師を務めました。
このお題をいただいた時、「え?離島における不妊治療???」とこれまで考えたことのなかった課題であったことに気付きました。そもそも保健師は不妊治療を考えている人、または治療中の人を把握し、支援しているのでしょうか。
発表準備を進める中で、島から出る交通手段が限られている離島住民には経済的支援、生活に寄り添った相談支援、さらに島によっては子どもを産まなくても許容される地域規範の変容の支援などが必要とされているとわかりました。
島では保健医療従事者も島民で受療者の方は相談しにくい、ということも多いと思います。それでも生活に根付いた対応ができるように、拠点病院の方には職員向けのオンライン研修会などの企画、オンラインピアカウンセリングの紹介などをしていただくよう提案しました。また、現在、旅費や国の基準以上の治療費を出している自治体もあるので、それらを利用できるか、役場に確認するよう助言をしてほしい、とお願いしました。
オンラインによる開催のため参加者のお顔は見ることができませんでしたが、当日朝までの参加登録者は336名、オンライン参加者は144名だったそうです。質疑応答の時間には、離島の保健師向けの研修の内容、渡航費助成金の金額について、オンライン相談の利用のしやすさについて質問をいただきました。
離島の保健師活動は、住民全体に働きかけやすい特徴があります。PTAや自治会の集まりで女性の健康について普及啓発したり、入籍や転入などの手続き窓口で、「健康に関する相談はぜひ保健師へ」とお知らせしたりすることもできると思います。治療と生活を両立できるような環境づくりを進められるようになるといいですね。