散る桜と墓参について
2017.04.18 13:45
今年は例年よりも少し遅めの桜の開花となりました。
お釈迦様の誕生日4月8日頃から開き始めたシダレザクラから始まり、この春はおよそ10日間にわたって境内の彼方此方の桜がその花を咲かせました。毎朝スマホ片手に境内を歩きながら花の写真を投稿しましたが、時間にゆとりのある時は久しぶりの一眼レフを使って撮影に挑戦してみました。
無心に咲いている花の姿を間近でゆっくりと見つめていると、忙しさに追われて大切なものを失っているような気がしてなりません。
桜ばかりでなく、足元のスミレの花や、草に宿る一滴の露までもが素晴らしい輝きを放っていました。これからの季節は山吹、木蓮、春の山にはフジの花、山桜が綺麗な季節です。境内では池のほとりに野の花が咲き乱れています。
境内の写真は時間を見つけて投稿していきたいと思います。写真はインスタグラムを中心に投稿しています。スマホをお持ちの方はお寺の公式アカウントをフォローしてみてください。(@zen_antouin)
山門より、最後の桜吹雪の動画です。散り際も美しいですね。
一昨日の通夜の法話でも話したことですが、桜の花の時期にご家族を亡くされた方は、境内の桜が開花する頃に墓参をされる方が多い印象を受けます。お盆、お彼岸以外の時期では、年末の大掃除の時期と桜の時期が圧倒的に多くなります。桜には、他の花にはない、特別な魅力があるのでしょうね。
これも毎年の法事の法語や法話で引用するものですが、末期にのぞむ良寛さんの歌が心に沁みます。
「形見とて 何か残さん 春は花 山ほととぎす 秋はもみぢ葉」(良寛)
境内のモミジも新緑の時期はとてもきれいです。ぜひお出かけください。
合掌