母子分離や授乳を避けるとする指針が及ぼす、母親のケア応答能力および乳児のメンタルヘルスへの影響と結果 Karleen Gribble
【論文の要点要約】
COVID-19のパンデミックは、ここ100年間にない規模の緊急事態であり、WHOは、2020年3月11日に、新型コロナウイルスSARS-CoV-2の蔓延をパンデミックとして分類しました。
COVID-19(ウイルスによって引き起こされる病気)による広範な罹患率と死亡率、それに伴う経済的および社会面影響(国連災害リスク軽減局、2016年)は、緊急事態を引き起こしました。
この緊急事態は、国連児童基金(UNICEF)とWHOの乳幼児の摂食に関する国際的戦略において、「非常に困難な状況」として認識され、「母乳育児サポートに特別な注意を払う必要がある」としています。
残念ながら、このパンデミック対策案と指針に含まれる母乳育児と母子に対するさまざまな支援案は、立案者が母子分離や母乳育児を妨げることによる双方への悪影響を十分に考慮しているとは明言できません。
この文献は、
●パンデミック時の乳児の健康に対する母乳育児の影響を概説、
●乳児と母乳におけるSARS-CoV-2に関する科学の現状の説明、
●新生児ケアのための国際的および国内的ガイダンスを要約、以上を目的とし、
●SkinToSkinコンタクトを推奨していない、また母子分離や授乳を妨げる指針が及ぼす、 母親のケア応答能力および乳児のメンタルヘルスへの影響と結果について述べています。
最後に、HIVパンデミックと比較し、倫理的に考慮すべき事項、および社会的に不利な立場にあるとされる母親と乳児への母乳育児と母親の介護を損なうことにより、対策が与える偏った影響とその類似点について説明します。
このレビューで引用された研究のいくつかは古いものです。なぜなら、調査結果は十分に確立されており、乳児からSkinToSkinコンタクトや母親との接触、授乳の可能性を奪い、双方への害となる研究を行うことは、今や非倫理的であるからです。
論文へのリンク:
https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/0890334420949514