ものがたり『バガヴァッド・ギーター』第15話
2017.04.18 23:29
友人であり至上主でもある
クリシュナは、
親族が敵味方になり
苦悩し悲しむアルジュナに対して、
『心が乱れる原因』について
教えを授けます。
「アルジュナよ。
見たい、食べたい、聞きたいなど
感覚が起こす欲望は
とても強い。
魂を悟ろうと修行する者の
心でさえも、
カづくで奪ってしまう。
私(クリシュナ。至上主や大いなる存在など、と様々な名で呼ばれる存在)
にお任せして、それに従うことで
感覚を支配して、
私の保護のもとにいなさい。
感覚を支配した人だけが
知性をしっかりと固定できる。
そうした人を、
揺るがぬ知性を得た聖者と呼ぶ。
『感覚の対象を見ると、それを思い出す。
思い出しては、愛着する。
愛着するから欲望が起こる。
その欲望を満たしたいと怒りが生じる。
怒りから妄想(思い込み)が起こる。
思い込みによって記憶(知っていること)が混乱する。
記憶が混乱してしまうと、知性を失い、正しいことができなくなる。
知性を失えば、同じ間違いを行い、
また(生と死が繰り返しされる)物質でできた
この世界の海におちてしまう。 』
だが、
すべての執着や好き嫌いの感情から離れ、
感覚を支配できる人は、
感覚の対象を楽しんだとしても
歓喜の段階に達し、怒りはない。
このように感覚を支配し、
歓喜の段階に入ったならば、
世の中で起こる
すべての苦しみはなくなる。
心が満足して、すぐに知性が安定する。」
…続きはまた明日。
(今日は2章60-65節まででした)