つまらないおじさん問題|東京未来ビジョン懇談会(第二回)
【社会報道】 東京都(知事:小池百合子)は平成二十九年四月二十一日に第二回『東京未来ビジョン懇談会』を開催し、三名がプレゼンを行った。同懇談会は三十年、五十年後の東京を見据えている。都の政策の推進や政策形成等に新たな発想を取り入れるため、各界の第一線でご活躍されている新進気鋭の若手の方々と意見交換を行う。第一回は一月に開催した。
一人目は弁護士・ 松澤香(写真上)。『つまらないおじさん』問題を提起した。価値観が似通う人が集まると、意思決定に支障を来たす、という主旨。男性が首脳陣に多い理由として、女性の出産による転機を挙げた。重要視したのは、政治に女性の視点が反映される事。政治に女性がいる重要性を説き、都議会の女性比の現状二割から五割へ引き上げる事を要望した。そして都議会の平均年齢の五十三歳から三十八歳程度への引き下げも求めた。
<介護と育児>
二人目は漫談家・メイミ(庚申、写真上)。笑顔工場の理事長を務める。介護福祉士として現場にいた経験より、介護についてプレゼンを行った。夫が認知症になった場合のシミュレーションを話し、介護に対する人の意識の向上を望んだ。「近い未来に五人に一人が認知症、介護士が三万六千人も不足する。」と警鐘を鳴らし、今後の取組みとして、介護士のイメージ向上や介護のコンテスト、コミュニケーションのスキルの学びを訴えた。
三人目は初参加の芸人・くわばたりえ(丙辰)。母を代表してプレゼンした。「育児のしやすい東京、日本に!」と題し、自身の育児の苦労体験を基に問題提起。「孤独な育児をしている人が多い。」と述べ、原因は夫の仕事が多忙過ぎで、両親が遠く、高齢出産、育児の大変さを分かってもらえないと分析。孤独な育児を無くす為に、一人でも多くに育児の大変さを分かってもらう事を訴えて、中高生に育児の本当を授業する事を提案した。先生は現役ママだ。パパの育児休暇にも触れ、夫婦の会話の大切さ(コミュニケーション)を伝え、「イクメンなんて言葉を無くしたい。」と地域で育児する社会を望んだ。
聞き手側の感想
意見交換では、映画監督・伊勢谷友介(丙辰)が無関心な人が問題と感想を述べた。特に首脳陣が無意識に無関心と核心に触れ、「今の人は皆、人生ダブルブッキング中。」と現代が社会変革の過渡期である点を伝えて、コミュティ作りを打開策とした。「筑波大」の落合陽一(丁卯)助教授は、「明治以前には愛は無かった。」とはじめ、「男女比が一対一でなければならないのか」と逆に男女比一対一は多様性が低くなる点を指摘した。
都知事は憲法について触れ、「意思決定の場に女性を。」と述べた。高校生内閣は総理が変わり、フランスとのハーフの浜田愛音(写真上)が「政治を身近に。」と、フランスの社会(法律)を交えて発言した。前総理は活動休止中との事。写真家・映画監督の蜷川実花(壬子)は 「カチコチになった頭を。」と大人を変える大変さを話し、子どもへの積極的な教育を求め、同時に「母も変えた方が良い。」と感想を伝えた。
尚、YTの同時視聴は平均で六十人程度だった。次回は五月に第三回を開催予定。
撮影記事:金剛正臣