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テマヒマ

図録

2021.10.29 23:24

おはようございます。


暮らし、味わう。


民藝と発酵をモノサシに

食を通して暮らしの豊かさを提案する

古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ

プロデューサー、バイヤーの太田 準です。

臨時休業だった昨日、久しぶりに東京へ。メインの目的は東京国立近代美術館で開催され

ています柳宗悦没後60年記念展 民藝の100

年を観に行くことでした。気合い入りすぎて

?時間前に一番乗りで列の一番前に並んでま

したが、2時間強、とても見応えのある展示

でした。

民藝の前史的な白樺時代のこと、民藝の周辺

の同時代の動きなどもあって、柳宗悦の足跡

を辿りつつ、それが立体的に浮かび上がって

くるのもよかったです。


今日はそんな中から、思想家、哲学者として

の柳宗悦ではなく、編集者、創作者としての

柳の側面についてを書きつつ、自分の仕事を

考えてみたいと思います。


大津絵展を観に行った際に、柳宗悦の大津絵

の見せ方、その色使いについて掴んだと思わ

せぶりなことを書いていましたが、今回の展

示会の中で柳自身が書いていることを紹介し

ていました。

「表具に用ひる素材としての布又は紙の色を

本品の色に近いものから選びますと、その結

果が至って無難なことが見出されました」

当たってた!とちょっと嬉しかったのですが

美を伝える、美を引き立てる技法を包み隠さ

ず伝えていたんだなぁと感心したりもしまし

た。


これまで何度かご紹介していましたが、前職では写真でモノを販売するということをして

いました。主にカタログでは言ってしまえば

実物よりもよく見えてるのでは?というクオ

リティの高い写真、付加価値とともに販売し

ていました。分かりやすいのは素敵なモデル

さんが着てる写真を見て購入して実際に着て

みたら実物通りにならないというようなこと

(ちなみにWEBになると同じ写真でもレイアウ

ト的な制約もあり優位性を失った気がします)

。通販対応はするが通販サイトはやらないと

いうのも、個体差もありますし、実際にお手

に取って選んで頂きたいからで、前職の反動

だともよく書いていますが、一眼レフとかい

いカメラで撮らずスマホで撮っていたのも似

たような理由でした。でも今回の展示会を観

て心境の変化がありました。柳自身「写真は

須く(すべからく)実物よりも美しくあるべき

だ」と言っていたようです。


同様に、前職で、商品写真の撮影ディレクシ

ョンをした経験もあって、限られた枚数の中

でどのカットを撮るべきかを瞬時に判断出来

ますが、柳宗悦の言う「直観」「直下(じきげ)

に見よ」からすると邪魔をしているのでは?

と少し思ってもいました。写真の技術がそれ

ほどないので心配してるほどのことは無いの

でしょうけど。柳自身は写真技師にかなり細

かく指示を出していたそうですし、図録では

一番よく見えるトリミングをしてるわけで、

柳の目を通して見ている、とも言えますね。

美術館の展示もどのように展示するのかは

キュレーターによるものなのでその目を通し

てるわけですが。


店内の商品展示、SNSでの写真撮影について

もう少し見直し、力を入れたいなと思った次

第です。


とてもおススメな展示会で、お近くの方も、

お近くでない方も是非!

難しい方には、店内に図録を置いておきます

のでお手に取ってご覧下さい。

テマヒマは今日も11時オープンで皆様のお越

しをお待ちしております。ランチのご予約状

況ですが11時半、12時のお時間がご予約で

満席のためゆっくりお越し頂くのがおススメ

です。

それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを

テマヒマで。今日も好い一日を!