【夏祭り編】カルーア通りにはお金が落ちている(4人台本)
【ジャンル:恋愛/シリアス/日常】
【所要時間:40~45分程度】
●上記イメージ画像は、ツイキャスで生声劇する際のキャス画にお使い頂いても構いません。
●ご使用の際は、利用規約をご一読下さい。
【人物紹介】
♀アルメラ(24歳)
カクテルで満たした室内プールに浸かって常にほろ酔い状態。過去にトラウマがある。
♂ミテイト(22歳)
アルメラに片思い中。現在右肩を負傷しリハビリ中。普段は金のかかるアルメラのために銀行強盗を働いている。
♀アイス(24歳)
変な商品を扱っている訪問販売員。夫(シェイク)がいながら、愛人も何人も抱えている浮気性。
♂シェイク(25歳)
アイスの夫で愛妻家。自称・氷細工の芸術家で、作品のためにモデルとなる女性と寝ている。
【作品の時系列】
「カルーア通りにはお金が落ちている」は、他にも「日常編」と「狂気編」の台本が存在しますが、
上記2作を知らない方でも楽しめるように冒頭にあらすじを入れているので、
「夏祭り編」単体で使って頂いても話がわかるように書いているつもりなので、
単体でもお気軽にお使い下さい。
一応時系列的には、
①日常編→②狂気編→③夏祭り編
となります。
↓生声劇等でご使用の際の張り付け用
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カルーア通りにはお金が落ちている~夏祭り編~
作:レイフロ
https://reifuro12daihon.amebaownd.com/posts/22907818
アルメラ:
ミテイト:
アイス:
シェイク:
――――――――
以下、台本です。
アイス(ナレーション):
前回までのあらすじ。
元彼のことで過去に大きなトラウマを持つアルメラは、
カクテルで満たしたプールに浸かり、
常にほろ酔い状態で現実から逃げていた。
そんな彼女に片思い中のミテイトは、
アルメラのトラウマの元凶となった男が
刑務所から出所した際に、命がけで彼女を守ったが、
右肩に重傷を負い、現在リハビリ中。
一方、なかなか恋の進展しない彼らを見守るのは、
アイスとシェイクのラブラブ夫婦。
だが夫のシェイクは、氷細工の芸術家として、
モデルとなる美女たちと寝ている傍(かたわ)ら、
妻のアイスも多数の愛人を抱えているという謎の夫婦。
そんな二組のカップルが、どうやら「夏祭り」に行くようです。
恋に進展はあるのか?トラブルは起こってしまうのか?!
『カルーア通りにはお金が落ちている~夏祭り編~』
開演でございます。
(間)
アルメラ:
え?夏祭りってなんだっけー?
アイス:
なんだっけじゃないわよ、アルメラ!
出かける準備しといてって言ったでしょ?!
またカクテルのプールにとっぷり浸かって!
アルメラ:
てゆーか、毎度のことながら勝手に人の家に入ってこないでよ!
ピンポンくらい押してよね?!
アイス:
鍵が開いてたんだから入っていいってことじゃない。
ミテイト:
お、アイス、来てたのか?
アイス:
あらミテイト!
ねぇ、いつになったら私と浮気してくれるの?
ミテイト:
旦那がいるっていうのに、息を吸うように浮気をしようとするな!
って、アルメラもそろそろプール出ないと…夏祭り行くんだろ?
アルメラ:
あ~ん、やだやだ出たくない~
アイス:
そんなに出たくないなら、夏祭りはミテイトと行っちゃうわよぉ?
ミテイト:
てゆーか夏祭りなんてこの国の風習にはないのに、急に何なんだろうな?
(SE:扉バーンと開く)
シェイク:
それは僕から説明しようっ!
姉妹都市であるジャポネとの交流のイベントだそうだよ!
アイス:
シェイク!おかえりなさいっ!三か月ぶりね?
シェイク:
あ~愛しいアイス!会いたかったよ!
アイス&シェイク:
んん~…(キスしようとする)
ミテイト:
やめろやめろ!人の家ですぐイチャつこうとするな!
シェイク:
相変わらず野暮だね、ミテイト。
アルメラとはそろそろキスしたかい?
ミテイト:
はぁ?!そそそそんなことべべべ別に俺は…
アルメラ:
アイスといい、アンタら夫婦はどうしてピンポンも鳴らさずに勝手に入ってくるわけぇ?
シェイク:
鍵が開いていたという事は入っていいということだろ?
アイス:
そうよね~?何が悪いって言うのよ。
アルメラ:
似た者夫婦めッ!
シェイク:
今日夏祭りが開かれると聞いて、飛んで帰って来たよ!
ジャポネには一度行ったことがあるが、とても湿気の多い国で、
夏の暑さはジメジメとして尋常じゃないが、平和ボケした良い国だよ!
アイス:
夏祭りってそもそも何のためにあるのかしら?
シェイク:
元々は疫病が流行った時に行われるお祓いだったそうだが、
民衆が参加し始めて、時代と共に賑やかな祭りへと変化したみたいだね!
アイス:
へぇ。確かジャポネには、ヤオヨロズ…?の神様がいるのよね!
ミテイト:
アルメラにもほろ酔いの神が付いてるけどな!ほら、いいかげんプールから出て!
アルメラ:
んあ~やぁだぁ~
シェイク:
ミテイト、君はまだ右肩の怪我が完治してないんだろ?
僕に任せてくれ。よいしょっと…
(SE:ザバァ←水音)
アルメラ:
ちょっとぉ!そんなお姫様だっこなんかしなくても自分で出れるんだからぁ!
ミテイト:
くっ…!(悔しそうに)
アイス:
ミテイト、リハビリは上手くいってないの?
ミテイト:
いや、日常生活に支障はないけど、
神経もちょっとやっちゃってたから、前と同じようには…
アイス:
そうなの…。
でもそれくらい大丈夫よ!アレの時は、私が上に乗って色々動いてあげるから!
ミテイト:
何の話だよっ!?!
シェイク:
ふーん。ミテイトは怪我が完治していないことを逆手に取って、
人妻を誘うという姑息(こそく)な手を使うわけだ。
どう思う?アルメラ。
アルメラ:
サイッテー!
ミテイト:
なんでだよ!
ほら、シェイク!
いつまでアルメラをお姫様だっこしてるんだッ!しっしっ!
シェイク:
アルメラ、前より痩せたかい?腰が少し細くなったよな気が…
ミテイト:
ゴキブリジェットはどこだッ!
一缶(ひとかん)振りかけてやるッ!
アイス:
ふふ、ミテイトのことそんなにからかったら可哀想よ?
シェイク:
つい面白くてね!
ほら、アルメラ。立てるかい?
アルメラ:
う゛~ミテイト~酔っ払ったぁ、お水ぅ…
ミテイト:
はいはい今持ってくから、びしょびしょのまま動き回らないでくれっ!
アイス:
もう行くわよ!これから「浴衣」を着付けしてもらうんだから。
特にミテイトは楽しみにしてなさい?きっとびっくりするわよ?
ミテイト:
そんな過激な衣装なのか?!
こっちは、アルメラの水着姿を毎日見てるんだぞ?
シェイク:
青いな!
目を引くのは、露出度だけではないということを勉強するがいいさ!
ミテイト:
なんじゃそりゃ…?
(間)
アルメラ:
ぐえっ!オビってやつ絞めすぎじゃない?!苦しいんだけどぉ…
アイス:
ふふ、我慢なさいな。
アンタは普段酔っ払いなんだから、
あえて白地にアサガオの清楚な柄にしてよかった~。
私は紺地(こんじ)に蝶の柄よ!落ち着いててイイでしょ?
アルメラ:
なんか魔性の女感出てるぅ。
アイス:
んっふふ、ミテイトも今日落としちゃおっかなぁ。
アルメラ:
はぁ?!何言ってんのぉ?!
アイス:
ほーら!髪もアップにしてもらうんだから動かないの!
…
ミテイト:
なんだよこれ!下の方スカスカじゃん!スカートみてぇ…
シェイク:
男性は、甚平(じんべい)という衣装もあるが、浴衣の方が色気が増す。
夏祭りの最後には花火があるから、そこで良い雰囲気が出せればキスくらい…
ミテイト:
ききききキス?!?
シェイク:
あはは、まぁキミには無理か!相手はあのアルメラだもんなぁ!
ミテイト:
お、俺だって良い雰囲気くらい出せるっつの!
ジンベイザメだか何だか知らないけど、俺はユカタを着るからなっ!
シェイク:
あはは!せいぜい頑張ってくれ!
(間)
アイス:
おまたせー!さぁ拝み倒しなさい?
美女二人が来たわよ?
シェイク:
あああ!なんて綺麗なんだアイス!
まさにヤマトナデシコだ!(抱きしめる)
アイス:
んふ、そんな強く抱きしめたら帯が崩れちゃうわよ?
シェイク:
あぁ、そうだったね!すまない。
お詫びにキスしよう!ん~…
アイス&シェイク:
ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ♪
(↑ガチのリップ音ではなく、ギャグっぽくていいので字面通りに読んで下さいw)
アルメラ:
暑ッ苦しい夫婦ね、ホントに。
ミテイト:
アルメラ…その浴衣ってやつ、似合ってる…すごく可愛いよ。
アルメラ:
ば、バッカじゃないの…!当たり前でしょ?アタシは何でも着こなしちゃうの!
シェイク:
君たちはキスしないのかい?
アルメラ&ミテイト:
はぁあ?
アイス:
こんなに間近でお手本を見せてあげてるんだからすればいいじゃない。
アルメラ&ミテイト:
はぁあぁ?!?!
シェイク:
それはそうと、僕とミテイトもなかなか絵になると思わないかい?
ミテイト:
ちょっ、肩組むなっつーの!馴れ馴れしい!
アイス:
シェイクは縦のストライプ模様で、ミテイトは紺の無地だけど…
裾(すそ)に赤とんぼの刺繍が入ってるわね!素敵じゃない!
アルメラ:(ツンデレで)
二人とも…まぁまぁなんじゃない…?
シェイク:
気に入ってくれたか!
じゃあアルメラ、祭りが終わったら、僕の氷細工のモデルになってくれ!
最高の作品を作ってあげるから!
アルメラ:
なんでそうなるのよ?!意味わかんないっ!!
アイス:
はぁ、このメンツが集まるとホントに騒がしいんだから。
シェイク、中は混んでるみたいだから手を繋ぎましょ?
シェイク:
そうだね、君たちもちゃんと手くらい繋いでおけよ?
アルメラ:
ア、アタシは大丈夫だもん!
ミテイト:
アルメラ、俺の袖(そで)んとこ掴んでなよ。それならいいだろ?
アルメラ:
う、うん、まぁそれくらいなら…
シェイク:(小声で)
全く、まるで中学生のような恋愛だなあの二人は。
アイス:(小声で)
ふふ、可愛いじゃない?
(間)
アルメラ:
あれ何?!テカテカしたリンゴ!あ!わたあめ食べたいっ!
ベビーカステラっていうのも美味しそうなんだけど!
ミテイト:
甘いのばっかじゃん!
俺はどっちかっていうとたこ焼きとかお好み焼きの方が…
アルメラ:
ベビーカステラあーんしてあげようと思ったのになぁ
ミテイト:
さぁ買いに行こう!今すぐ買いに行こう!!
シェイク:
やれやれ。
おっ、あそこに射的があるよ?アイス、やってみるかい?
アイス:
え?!銃で撃つの?!随分危険な屋台も出てるのね!?
シェイク:
あはは!射的は実弾じゃないよ?コルク銃だ。
ツンデレのアルメラも悪くないが、君も意外と天然だよね?
アイス:
しっ、知らなかったんだからしょうがないでしょ!
シェイク:
教えてあげるからやってごらん?
1回ずつ頼むよ。(←店主に向かって)
アイス:
えっと、こう?
シェイク:
射的の場合は、片手で持って手を伸ばして、なるべく対象物に近づけた方が良い。
そして、右上や左上を狙うとこんな風に…
アイス:
わっ!一発で落ちたわ!さすがシェイク!じゃあ私も…
シェイク:
コラコラコラ!!
ナチュラルに屋台のおじさんを狙うのはやめなさい!!
アイス:
え?ダメ?ワイルドでちょっと素敵かなって!
シェイク:
君の浮気の守備範囲、どんどん広くなってないかい?!
アイス:
さぁね~?♪
…
アルメラ:
むぐむぐ…(食べてる)
ミテイト:
俺にくれるのは一個だけで、あとは全部自分で食べるわけね…
アルメラ:
そもそもミテイトはあんま甘いものは食べないじゃん?
ミテイト:
誰かさんがカクテルのプールに入ってるせいで、常時甘い匂い嗅がされてるから食べなくなったんだよ!
アルメラ:
そんなの知らないもーん!じゃあもうあげなーい!
アイス:
もう、あんた達はどこでもじゃれあってんのねぇ。
アルメラ:
じゃれあってるんじゃなくてケンカですぅぅ!
…あれ?アイス、その頭のやつどうしたの?
アイス:
射的でシェイクが「かんざし」っていうのを取ってくれたの。
シェイク:
景品だからそんなに高価な物ではないと思うけどね。
アルメラ:
可愛い…。浴衣に似合うね。
アイス:
でしょー?
あ!あれは何?ビニールプールに金魚がたくさん!
シェイク:
金魚すくいだよ。
円形の枠に和紙が貼られた「ポイ」という道具で金魚をすくい上げるゲームみたいなものだ。
アルメラ:
楽しそう!やりたーい!
ミテイト:
ダメダメ!金魚が取れたところで、アルメラは飼えないだろ?!
アルメラ:
なんでよぉ。プールの中で泳いでたら可愛いじゃない。
ミテイト:
アルメラのプールはカクテルで出来てるんだぞ?
秒で死ぬからダメ!
アルメラ:
あっ!あんなところに黒猫ちゃんがいるぅ!
ミテイト:
無視かよっ!!
アイス:
金魚のこと、真剣に目で追ってるわねぇ。狙ってるんじゃない?
シェイク:
どうやら夏祭りは、猫にも刺激的なようだね。
アイス:
ねぇ、太鼓の音が聞こえてきた!
あっちでダンスが始まってるわよ!
シェイク:
あれは「盆踊り」と言って、先祖の霊を供養するという…
アイス:
いいから!皆で踊るわよっ!
「ご参加の方はヤグラを囲む輪にお入りください」だって!
アルメラ:
楽しそうっ!いこっ!ミテイト!
ミテイト:
お、おう!
シェイク:
やれやれ。今日は皆、はしゃいでいるようだね。
アイス:
何言ってんの!シェイクもやるのよ!
シェイク:
僕は遠慮す…、あぁ、引っ張らないでくれ!
アルメラ:
えっと、みーぎ、ひだりっ、ここで手を一回叩いてっと…(手を叩く)
ミテイト:
パターンを覚えちまえばあとは繰り返しなんだな。
結構楽しいじゃん!
アルメラ:
うん!子供でも簡単に覚えられるし、盛り上げるわけだね~!
アイス:
あははは!シェイクったら…ひーっ苦しいぃwww
シェイク:(ギクシャクしながら)
次は手を右下に持ってきて?
足はどうするんだった?んん?
右足か!違う!左足を?前に?後ろに?
こうか?こうなのか?!
ミテイト:
ぶはっ!シェイク、ロボットダンスじゃねーんだから!あはは!
アルメラ:
仮にも芸術家を名乗ってるくせに、なんでそんなにダンスはヘタクソなのぉ?やばぁ!
シェイク:
芸術家は関係ないだろぉ!
みんな笑ってないでちゃんと教えてくれぇぇ!
(みんなで笑いあったりして下さい)
(間)
アイス:
はぁ~楽しかったぁ!
あ、そろそろ花火の場所取りに行った方がいいわね~。
って、ミテイトはどこに行ったの?
アルメラ:
食べ物買ってくるって言ってから戻ってこなぁい。
ミテイト:(走ってくる)
はあ、はぁ…お待たせ!綿あめだよ。
アルメラ:
わぁい!
シェイク:
花火が良く見えそうなポイントは2ヶ所あるんだ。ここで一旦2対2に別れようか。
アルメラ:
はいはい、アイスと二人きりになりたいってことね?お熱いことで~。
アイス:
シェイクは明日また海外に戻っちゃうんだから、それくらいいいでしょ?
シェイク:
アイスの浴衣姿をどうしても見たくて無理して帰ってきたけど、正解だったよ。
僕の予想を裏切る美しさだった。
ミテイト:
はいはい、もうノロケは聞き飽きたっ!
で?俺とアルメラはどこ行けって?
シェイク:
今メールで地図を送ったよ。
花火が終わったら、さっきの浴衣のレンタル屋に集合しよう。
アイス:
アルメラ、その浴衣返すんだから汚さないようにしなさいよ?
アルメラ:
わーってるもーん、ひっく。
ミテイト:
さっきから飲んでるそれ!
ストローで飲んでるからジュースかと思ったら、カクテルなのか?!
アルメラ:
ジュースだもーん、ひっく。
アイス:
チャンスじゃない!泥酔させて押し倒しちゃいなさいよ!
ミテイト:
そんなこと出来るかぁ!
シェイク:
はは、真面目だなぁ青年!
アイス:
ミテイト、頑張ってねー!
アルメラとチュー出来なかったら、明日私がしてあげるからね!
ミテイト:
いらんわッ!
アルメラ:
良かったね~ミテイト。せっかくだからアイスにちゅっちゅしてもらいなさいよ?
はぁ~馬鹿らし~
ミテイト:
アルメラそっちじゃないって!一人で勝手に歩いちゃダメだよー!
アイス:
ふふ、私たちも行きましょ?
また貴方としばらく会えなくなっちゃうから、うんと甘やかして?
シェイク:
あぁ。もちろんだよ、お姫様。
(間)
アルメラ:
地図の場所まだなのぉ?もう疲れたぁ、足痛いぃぃ
ミテイト:
もう少しだよ。ほら、手引いてあげるから、頑張れアルメラ。
アルメラ:
う…うん…
ミテイト:
えーっと、この辺りのはずだけど、ほんと穴場だなぁ。誰もいない。
あ、ベンチもあるし座ろう!
アルメラ:
助かったぁぁ!
(二人で座り、しばし沈黙)
ミテイト:(急に真剣な口調で)
なぁ、アルメラ…
アルメラ:
わぁぁ!だ、ダメだからね!
アタシはきききキスとかしないから!!
ミテイト:
え?あぁ、大丈夫だよ。
俺は、シェイクにいくら馬鹿にされたって、
雰囲気で流して何かしようとしたりしない。
まぁ、アルメラが多少強引な男の方が好きだっていうのも知ってるけど。
アルメラ:
なんでそんなこと知ってんのよぉ?!
ミテイト:
分かるよ。バレバレ。
でもアルメラの好みの男を演じて好きになってもらっても、それじゃ意味ないっていうかさ。
アルメラ:
うーん…ミテイト、あのさ…
(SE:花火の音 5秒以上)
アイス:
わぁすごい!花火が始まったわ!
シェイク:
あぁ、ジャポネの花火はとても繊細で綺麗だ。
アイス:
シェイク、今日は帰国してきてくれてありがとう。
一日だけとはいえ、随分無理をしたんでしょ?
シェイク:
まぁね。僕の作品作りはタイミングが命だから。
でも君の浴衣姿を見たらどうでも良くなったよ。
アイス:
ふふ、そんなに似合う?
じゃあこれは買い取ってずっと着ていようかしら?
そしたら貴方は、ずっと私の側にいてくれる…?
シェイク:
アイス…
アイス:
…ふふ、冗談よ!
私は芸術家としての貴方を好きになったの。
中途半端なまま作品作りをやめたりしたら、
私がシェイクを氷漬けにして北極に流してやるわ!
シェイク:
はは、それは恐いね。
アイス:
私は本気よ…?
シェイク:(そっと抱きしめる)
…愛してる。
アイス:
シェイクったら、さっきから全然花火を見てない。
シェイク:
いいんだ。もう花火なんて。どうでも。
アイス:
甘やかして欲しかったのは貴方の方みたいね?
さ、キスして?
シェイク:
ん…愛してるよ、アイス。心から。
アイス:
えぇ、知ってるわ…。
(SE:花火の音 5秒以上)
ミテイト:
あ、花火が始まった!すごいなぁ!
アルメラ:
う、うん、綺麗だね…
ミテイト:
さっき何か言いかけなかった?
アルメラ:
な、なんでもない!
それよりなんか喉乾いてきちゃったなぁ。
ミテイト:
俺、買ってくるよ!(立ち上がる)
アルメラ:
ん?袖から何か落ちたよ?
ミテイト:
え?あっ!それは、ダメだ!
アルメラ:
ビーズで出来たブレスレット?何これ?
ミテイト:
え、えっと、とりあえず飲み物を買ってく…
アルメラ:
だーめ!座りなさい!
アタシに隠し事するなんて100万年早いんだからね!
ミテイト:
は…はい…。
シェイクがさ…、射的で「かんざし」ってやつをアイスに取ってやってただろ?
アルメラがそれ見て可愛いって言ってたから、
俺もとってあげようとゴニョゴニョ
アルメラ:
で、取れなかったわけね?
代わりにキッズ用のビーズのブレスレット?
ミテイト:
ごめん!それ、かんざしの隣にあって、流れ弾で取れちゃって…
アルメラ:
バカね…。
しょうがないから、今日だけ付けといてあげる。
アタシは手首細いからキッズ用でも入っちゃうもんねー!
ほら!アタシが付ければ何でも可愛い!
ミテイト:
アルメラ…
アルメラ:
さっき言いそびれたけど…
ミテイトはミテイトのままでいいの。
ミテイト:
え?
アルメラ:
アタシの好みに合わせてヨイショしてくれなくたって…アタシは、ミテイトの事…
ミテイト:
俺のこと…?
アイス:(小声で)
あっ、蚊に刺された…!かゆーい
シェイク:(小声で)
なんだと?!アイスの全ては僕の物だっていうのに、蚊のヤツめ!許しておけん!
アイス:(小声で)
シェイク!動いたらみつかっちゃうでしょ?!
シェイク:(だんだん声大きく)
キミに強力な虫よけスプレーをかけてくるべきだった!
キミを狙う、ありとあらゆる虫どもをブチ殺す強力なスプレーを…!
ミテイト:
なにやってんだ阿呆!!
(叩く←手を叩くなどで音を出して下さい)
シェイク:
あだっ!ミ、ミテイト!なぜ隠れているとバレた?!
ミテイト:
声がでけーんだよ!
アイス:
で?
「アタシはミテイトの事…」の続きは?
アルメラ:
はぁ?!も、もうなに言おうとしたか忘れたしっ!
アイス:
「好きだからずっと一緒にいて欲しい」…でしょ?
ミテイト:
えっ?!そうなのアルメラ?!?
アルメラ:
ち、違うって言ってんでしょおおおッ!!
(男性陣二人が殴られる)
ミテイト&シェイク:
ぐふぅぅぅ!!!
シェイク:
な…何で僕まで…!
アルメラ:
アイス行こっ!お腹すいたから屋台でなんか食べよ!
アイス:
え?ちょっとアンタ、お金なんて持ってるの?
アルメラ:
あるよ!オトコどもの財布が二つもね!
ミテイト&シェイク:
ああああッ!!
アイス:
全く、アンタは手癖が悪いんだから。
アルメラ:
愛人が何人もいるアナタには言われたくありませ~ん!
アイス:
んふっ、まぁいいわ!
んじゃ、お財布が空になるまで食べて飲みまくるわよー!
アルメラ:
そうこなくっちゃー!
(アルメラとアイス去る)
シェイク:
はぁ…やられたね。
ミテイト:
お前のせいだろが!
シェイク:
…キミはこれからどうするんだ?
トラウマの元凶がいなくなってもアルメラは傷ついたままだ。
彼女をどうやって支える?
ミテイト:
変わんねーよ。俺は、金でアルメラを支えるに決まってんだろ?
なんたって、“カルーア通りにはお金が落ちている”んだからな!
シェイク:
落ちてるんじゃない、銀行強盗してきてるんだろ?
右腕の怪我だって元通りに治るかわからないのに、まだ続ける気か?
ミテイト:
当たり前だろ?俺はアルメラに害をなす者は絶対に許さない。
つまり、アルメラを氷細工のモデルにしようとしてるお前も、敵だからな…!
シェイク:
ふっ、僕だってアイスの願いを叶えるためには、
まず氷細工の最高傑作を作らなければならないんだ。
そのためにアルメラが必要であれば、キミを排除するまで…。
ミテイト:
……っ!!
シェイク:
まぁ、そう身構えないでくれ。
現時点ではアルメラがモデルとして有望というだけで、
もう少し世界を回って、逸材がいないか確かめるさ!
ミテイト:
そんな悠長な事言ってる間に、浮気性のアイスが本命を見つけて、離婚されないといいけどなぁ?
シェイク:
…ミテイト、気を付けろ。囲まれてる。
ミテイト:
なんだお前ら?
この真夏に真っ黒のスーツ来た集団が、野郎二人を囲もうなんて趣味悪いぜ。
シェイク:
アイツらの胸に付いているバッヂの紋章…あれはっ!!
もしそうだとしたらアイス達が危ない!
ミテイト、こいつらを片付けるぞ!
ミテイト:
は?!一体どうなって…
シェイク:
いいから手伝え!腕は平気か?
ミテイト:
誰に聞いてやがる。こっちは百戦錬磨の銀行強盗だっつーの!
シェイク:
ふっ、そうだったな。それじゃあ行くぞ!
ミテイト&シェイク:
うおおおおおおお!!!
(間)
アイス:
っくしょん!!なんか私たちのこと噂してるのかしら?
アルメラ:
もぐもぐ…なんか言ったぁ?
アイス:
食べすぎでしょもう!色気も何もあったもんじゃないわねぇ。
アルメラ:
別にいらないもーん。てゆーかいっそのこと太っちゃおっかな~。
アイス:
アンタはすぐそうやってミテイトの愛を確かめたがるんだから。
アルメラ:
アイスだってそんなに浮気しまくって、シェイクが嫉妬に狂って無理心中とか計ってきたらどうすんのよ?!
アイス:(すごく嬉しそうに)
無理心中?!素敵ね!!
真っ赤に染まるベッドで!二人きりで!ロマンチックだわ…!
アルメラ:
ごめん、変態夫婦だってこと忘れてたわ。
アイス:
てゆーか、そのおもちゃのブレスレットは何?
アルメラ:
これ?んふふ~…ヒミツー!
アイス:
えー?何よ見せなさいよぉ!
アルメラ:
やーだよーっ♪
…って、なんかあっちの方騒がしくない?
アイス:
んん?あの走ってくるのってシェイクとミテイトよね?
その後ろの黒服集団は何?!
シェイク:(息を切らしながら)
はぁ、はぁ…!お嬢様方、楽しんでいるところ悪いけど、
野暮な連中のせいで逃げなきゃいけなくなった。
よっと! (アイスをお姫様だっこ)
アイス:
きゃっ!シェイク、ちょっとどういうことぉぉ?!
ミテイト:
はぁ、はぁ…アルメラ、俺たちも早く行こう!
アルメラ:
今、シェイクがアイスのこと抱えて走ってっちゃったけど…
ミテイト:
俺はお姫様だっこ出来なくてごめんな。
早く怪我治すから、今日はおんぶで我慢してくれ!
よっと!(おんぶする)
アルメラ:
うあぁっ!
ミテイト:
よし!逃げるぞっ!
アルメラ:
逃げるってあの黒服集団から?!
ミテイト:
あぁ!シェイクの奴がなんか知ってそうだったから追いかける!
アルメラ:
もう!せっかくの夏祭りなのになんでこうなるのぉ?!
ミテイト:
刺激的な方が思い出に残るだろ?ほら、ちゃんと掴まってろよっ?
アルメラ:
せっかくのほろ酔い気分が台無しじゃない…!
でも…まいっか!シェイクとアイスに負けるなミテイト!騎馬戦じゃーい!
ミテイト:
はぁ?!そのノリは十分酔ってるじゃん!
アルメラ:
ゴーっ!ミテイトゴー!!
ミテイト:
こうなりゃ自棄(やけ)だー!!
うおおおおおっ!!
アルメラ:
行け行けーっ!!
(十分間を開けて下さい)
シェイク:
アイス…、もしかしたら見つかったかもしれない。
アイス:
え…?それって…
シェイク:
どこから嗅ぎつけられたか知らないが、しつこい奴らだ。
アイス:
シェイク…もし捕まったら、私…
シェイク:
そんなことはあり得ない。いいね?
アイス
うん…。愛してるわ、シェイク…。
シェイク:
僕も愛してる。誰にも君を渡さない。
君を殺していいのは…
僕だけだ。
End.