夜空を君にマリトッツォ
カバオザウルスです。
流行の波の25m後ろで背泳ぎをしているカバ男です。
タイトルにある通り、何やら巷でマリトッツォなるものが人気らしい。
しかし私は未食である。
名前はよく耳にするがそんなに美味しいのだろうか。
市民権を得て久しいはずなのに、手が伸びていないのが現状である。
(この、流行には乗らないぜ感がさぶいし古い。)
どうせ大したことないんじゃないのか。
柔らかいパンに生クリーム挟んだだけでしょう?
(これが陳腐な大人になる第一歩である。)
(あとカバオザウルスて。)
ピンポーン、ピンポーン
…ん?
誰だ、こんな夜中に。
今ブログ書いてるんだけどな。
ごめんなさいね、ちょっと失礼し…
のわぁあああァア!!
何だお前は!!!
扉が!うちの扉が!
蹴破られている!!
おい、おいなんだよおい!
どうしてくれるんだよ!
って、え?
侵入者は一向に立ち上がらない。
お前…というか、マリトッツォ?
でかい、巨大なマリトッツォ。軽トラックが部屋に入ってきたのかと錯覚するほど。
近づけない。着ぐるみでも作り物でもなく、正真正銘のマリトッツォだ。
こいつ、法で裁けるのか?
不法侵入罪でしょっ引いて欲しいが、そもそも人間ではないから適用されないかも。
修理費を請求しようにも、どこに提出すればいい?
マリトッツォに労働能力や就職意欲が備わってないなんて明白なのに。
口座も金も持ってないだろう。
じゃあ、これは国が補償してくれるのか?
理由は?
マリトッツォに蹴破られました。
取り合ってくれルはずがない。
まずはこいつを捕らえて、然るべき組織や施設に預けないと。
!?
今まで寝そべっていたマリトッツォが、のっしりと起き上がる。
でかい。そりゃそうだ。
軽トラを縦にしたらそりゃあでかい。
何だ…私が、悪いのか?
君の悪口を言ったから、怒ってるんだろう!
私がそう言うと、次の瞬間マリトッツォは私目掛けて突進してきました。
この扉同様に、粉々になるんだな。
瞬時に悟り、ギュッと固く目を瞑りました。
あれ…?
しばらくして目を開けましたが、痛みも衝撃もありません。
ただ口の中にマリトッツォが入っていました。
咀嚼してみます。
うん、美味しい。
カバオでした。