第71回『母 おふくろ』
見給え!これが我等の母親の行く道だ
多くの死んだ母のために!
闘う母のために!
まだ産まれぬ母のために!
福島演劇鑑賞会 第71回例会
劇団俳優座(1972)
作:B・ブレヒト
演出:千田是也
例会概要
公演日
1972年7月8日(土) 18:00~
会場
福島市公会堂
ものがたり
ペラーゲア・ウラーソワは、賃金が下る一方で、息子のパウェルに栄養のあるスープを作ってやることが出来なくなって、どうしてよいか分からないでいるが、息子にはその抜け道が分かっている。彼は同志と部屋で賃下げに対するストライキをよびかけるアジビラ作りをやっている。そこへ警官が家宅捜索にやってきて、家をめちゃくちゃにし、ウラーソワは息子が危険なことに従事していることに気付く。
彼女はビラに何が書いているか分からないが、ビラ配りにいくことになったパウェルに代り、ただ息子の危険を救うために自分で工場にビラ配りに行く。
ウラーソワは商人に扮し、生活の頓智を働かして、無事に労働者たちにビラを配る。家に帰ってから、息子や労働者たちにストライキが労働者の正常な闘争手段であるという、政治経済の第一課程を学習するのである。
ついで彼女は経済闘争にすぎないデモ行進に警察が干渉する筈はないと確信しているが、息子は逮捕される。また、兵士たちがデモ隊に発砲し、旗手が倒れると、ウラーソワがその赤旗をかかげる。
パウェルが監獄から脱走し、母を訪ねるが、ビラ作りのために忙しい母は、すぐに別れなければならない彼に食事を出してやることも出来ない。しかし、彼らは、もうあらゆる点で理解し合うようになっている。
そのパウェルが逃走の途中捕らえられ、射殺される。息子の死で床に伏すウラーソワは、見舞に来た家主人のさし出す聖書を押しかえし、「息子を奪ったのは、神様でなく、皇帝です」という。だんだん激しくなった反動政府の弾圧に、ウラーソワの革命的行動はなえてしまうが、戦争勃発の知らせに、彼女は病の床から起き上り、労働者と反乱水平のデモの時には、赤旗をかかげ、デモの先頭に立つ。
出演
ペラーゲア・ウラーソワ…………岸輝子
パウェル・ウラーソワ(息子)…早川純一
アントン・リービン/スト破り…立花一男
アンドレ・ナホドーカ/農夫……佐伯赫哉
イワン・ウェッソウチコウ………井川比佐志
マーシャ/ジゴルスキーの女房…新田勝江
巡査/屠殺場のワソール・イェフィモーヴィッチ…永田靖
門番/ニコライ・ウェッソウチコフ…袋正
スミルギン/イェゴール・ルーシン…松野健一
カルボフ/監守/労働者……松野健一
シゴルスキー/労働者………可知靖幸
ストライキ破り/労働者……矢野宣
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