絶品の栗きんとんが出来上がりました!
10月のBasicレッスンが終了しました。熊本球磨の利平栗を裏漉して作った「栗きんとん」と「栗おこわ」を作りました。利平栗は、栽培が難しく生産量も多くなく、昨年と同様に球磨地方を襲った台風や大雨の被害で、良質な利平栗の入手に難儀しました。球磨の利平栗にこだわるのは、なによりも美味しい事と、栗きんとんは栗そのものの美味しさが出来上がりの美味しさにストレートに影響するからです。
まずは、栗きんとんから。鬼皮のまま蒸した利平栗の中身を裏漉しをして、栗そのものの甘味を考慮しながら上白糖を20~30%加え、また栗は水分が少なく唾液が少ない人にはモソモソとして食べにくいものですが、それを改善するため砂糖のほかに無味無臭のあるものを加えました。しっとりとして、とても食べやすくなりました。市場に出回っている一般的な栗きんとんは40%程度の加糖がされていますが、当教室自慢の甘さ控えめの絶品の栗きんとんが出来上がりました。
続いて、栗おこわ。まずは、もち米の吸水の理論から。もち米は、常温で水に浸けると3時間で吸水は閾値となり、その後ひと晩水に浸けても吸水量は変わらないこと、その後水切りをして蒸し、さらに調味したコツ水を吸水させて蒸し、仕上がりは、生米の1.8~2倍の重量になります。実際に出来上がったおこわの重量を計って、(もちろん加えた剥き栗の重量は除いています)、吸水量を計算していただきました。さらにコツ水に加えた調味料(塩、薄口醬油、濃口醬油)から、出来上がったおこわに、どのくらいの塩分が含まれているかを計算していただき、ご飯茶碗一杯を食した時の塩分摂取量も計算していただきました。健康のための一日の食塩摂取量は、7g以下と厚生労働省は示しています。受講生のお一人が、「え~! 普段は、もっと濃い味つけをするのですが、今回の薄味の栗おこわでも、茶碗一杯の食塩摂取量にはビックリしました。これから気を付けます」とおっしゃっていました。食の作り手として家族の健康を考えるうえで大切なことのひとつですよね。そして、食品製造業を志す方にとっても、食品表示法によって販売する和菓子にも栄養成分表示が義務づけられていますので、興味を持っていただきたいと思います。今後も折に触れ、製菓理論とともに学習していただくつもりです。乞う!ご期待・・・です。😊
受講生の東京在住のU様が、栗きんとんんの素敵な写真と美味しい!とのコメントをいただきました。当HP 「受講者様の声」欄に掲載させていただきましたのでどうぞご覧ください。