日記の工夫
十月十日 日よう日 天気はれ
きのうは、わたしの七才のたん生日でした。
プレゼントは、今はやりのスマートウオッチでした。色は、ピンクです。
とてもうれしかったです。
十月二十八日 木よう日 天気はれ
「たのしかったこと」
今日わたしは、Gちゃんの家にあそびにいきました。
どんなことをしたかと言うと、はじめにすこしあそんでからおやつをたべました。
つぎにねこをさわりました。それからGちゃんのタブレットでゲームをしました。
さいごにたいそうをしました。わたしはおどり上がるほどにうれしかったです。
こんどは一ばんだけでもGちゃんの家にとまりたいです。
10日の日記は、決して悪い日記ではないと思いますが、今まで色々と書いてきた実績があるので、もう少し詳しく書けるかなという印象は受けました。
お母さんから、日記が短いことを指摘したら、もうこれ以上は書かないと言うので...と伺ったので、なるほどと思い、それではちょっとルールを作りましょうと「楽しかったことは楽しかったですと書かない。うれしかったことはうれしかったですと書かない。おもしろかったことはおもしろかったですと書かない。」と先に指示をして、書いてもらったのが28日の日記です。
彼女なりに工夫した跡が感じられ、簡単に一言で済ませないで表現を考える練習にもなるのではと思いました。楽しかったことが詳しくわかりますし、どんなに楽しかったのかよく伝わるように書けていると思います。
原稿用紙何枚以上とか、漢字を必ず使いなさいなどの縛りを決めると、それをクリアするだけが目的になってしまい、ただでさえ日本語を書く機会がないイタリアで育つ子ども達に「日本語の作文うざい」と感じさせてしまうのはあまり得策ではないと思うので、楽しく、興味をもって、考えて書いてもらえたらと願っています。