BAKIBAKI × 三宅商店 : ファーストコンタクト
三宅商店岡山事務所には引越し以来いろんなお客さんをお迎えしてきましたが、今回訪れた方は今までとはちょっと違うようです。
このデザインをどこかで見かけたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
bakibaking.comより
今回訪ねてくれたBAKIBAKIさんは世界的に活躍するペインター・グラフィティアーティスト(本人がこの肩書きを望んでいるかはわかりませんけど)として、メジャーどころでは2014年のW杯の時のマクドナルドのボテト容器とか、日本フェイスブック社のエントランスの壁のペイントとか、ナイキの広告を手がけたり、と正に大物。
他にも有名なブランドのプロダクトデザインや、建物の壁へのタギング、果ては神社仏閣でのペイントまで。ライブペイントでのスピード感は圧巻の一言。実は2013年の店主の選挙でも少し絡んでいたりとか。自身のオンラインショップも展開しています。
彼の代名詞たるBAKIBAKIしたデザイン『BAKI柄』は古くから日本で親しまれて着た麻柄(麻の葉模様)へのBAKIBAKIさんからの回答とも言えるデザイン。今世紀に生まれた柄でありながら、もはやスタンダードとも言える普遍性を醸し出しています。だからこそあらゆる媒体にこのデザインが使用されて居るにも関わらず、全く見るものを飽きさせることがない。
下の1枚目の写真が麻柄、二枚目がBAKI柄@増上寺
そんなBAKIBAKIさんと三宅商店でコラボをしようという話を水面下で進めておりまして、その前に店主・三宅と挨拶をしておきたいという話になり、驚くほどスケジュールが合ったので、今回の打ち合わせと相成りました。岡山の自然食品店といったらココと言えるコタンのヒデさんがBAKIBAKIさんを車で連れてきてくれました。
最初は他愛もない話でスタートしましたが、店主の漫画愛が炸裂するのを皮切りに、BAKIBAKIさんとヒデさんもヒートアップ。手塚治虫や藤子不二雄から、店主の大好きな茶道や茶器、美術や建築をフィーチャーした漫画「へうげもの」の話題に。BAKIさんもヒデさんも「へうげもの」ファンだったこともありこれ以上ない盛り上がりに。「実写化されたら俺が織部を演じたい」と店主が言い出すほど。そして単行本を持って3人でパシャり。
左から店主、BAKIBAKIさん、ヒデさん
漫画やアートの話で盛り上がり、BAKIさんも我慢ができなくなったようで三宅商店の事務所に痕跡を残したいという流れに。さーてどうしよう。どこもかしこもボロいし(笑)今後改修予定の箇所ばかりである。
色々検討した結果BAKIさんが選んだキャンバスは茶の間にある障子。ボロボロの障子。もっと綺麗な場所にBAKIさんのアートとちゃんと保存したい、と思った人が何人いたかはわかりませんが、BAKIさんはノリノリでお得意の「バキ柄」を描いていく。目の前で始まった上質なライブペイント。そのスピード感と躍動感に圧倒されます。
幼少期はよく漫画を描いていたという店主をノセてペンを取らせるBAKIさん。店主がセンターに雲を描く(上の写真の筋斗雲みたいな雲)。そしてコタンのヒデさんがコタンのキャラクター「スナメリ」を(下の写真)。商店スタッフも参加しまして、筆者も鳥と魚を描き足す。
スナメリは瀬戸内海の食物連鎖の頂点。残念ながら水質汚染によって個体数が減ってしまっています。環境保護のシンボルとして守っていきたいもの。
さて、障子画はさらに進行致しまして、BAKIBAKIさんによって赤富士が描かれました!その下を流れるBAKI柄が荒れ狂う波のよう。BAKIさんのキャラクター「おかん」も登場して一層賑やかになりました。
ちっちゃいキャラが「おかん」、赤富士の前後に「スナメリ」。赤富士の裏には三宅富士。色は点々で。何かに憑かれたかのようにひたすら障子をペンでつく店主。それも裏側から。玄米(猫・めす)が開けた穴からパシャり。店主、目が。。
BAKI柄だけの方が良かったという声もあります。それはいわゆる(ファインな)アートとしてはそうでしょうが、皆で書き足して、即興性に富み、現在進行形であり続けるこのスタイルはライブペイントとしてパフォーミングアーツとしてなんて素晴らしいんだ、と思います。そもそもBAKIさんが心地よく皆を焚きつけてくれますし。
そうしてくると障子に穴が空いているのがなおさら良いです。むしろこの穴があるから出来上がった絵とも言えます。ペンのインクが障子を貫いている箇所もそこここにあり、ペインティングの躍動感が如実に現れています。JAMです。この絵は変化を続けるという点において完成を見ました。この儚い破れた障子の上に、今後はどんな人がこの障子に絵をプラスしてくれるでしょうか。
その日はビオワインが何本も空き、コタンのヒデさんも弾き語りしたりして、有意義で楽しい一夜になりました。BAKIさんとはあらゆる側面で意識のすり合わせができまして、今後の協力体制がとても明快になりました。
そして夜が明けてジャジャン。散らかり方が良いですね。楽しかったんですよ。
正面手前の菓子器(もともとこの家にあったもの)や筆者のテレキャスターにもBAKI柄。(BAKIBAKIさんinstagramより)
翌日には細かいデザインの話もでき、これはとてもスムーズに企画が進んでいきそうだ、話が早そうだと思っていると、その日の晩にはデザイン案が上がってくるという驚きのスピード感。どれもすごく格好良い。
これは間違いなく面白くなります。このBAKI柄がどのように三宅商店の商品企画として表現されていくのか、こちらも楽しみで仕方ありません。こちらとしましては再始動を発表した犬式とも絡ませていきたいところ。
今後の商品展開にご期待ください。
BAKIBAKIさん、ヒデさん。素晴らしい時間をありがとうございました。