米アカデミー賞受賞の映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を語った板谷由夏と有村昆
【芸能報道】 平成二十九年四月二十四日に東京・渋谷にて日本で最も早い試写トークイベント『マンチェスター・バイ・ザ・シー/ビターズ・エンド、パルコ』が開催され、女優・板谷由夏(乙卯)と映画評論家・有村昆(丙辰)が登壇した。人間ドラマの本作はマット・デイモン(庚戌)がプロデューサとして制作し、ケイシー・アフレック(乙卯)が主演、ケネス・ロナーガン(壬寅)が監督・脚本を務めた。
二月に米・ハリウッドにて開催された「第八十九回 アカデミー賞Ⓡ」で、本作は主演男優賞と脚本賞を受賞した。他にもゴールデン・グローブ賞等で受賞をしており、計二百二十七部門でノミネートされ百七部門で受賞した話題作。標題のマンチェスター・バイ・ザ・シーは、米・ボストンの北東に位置する実在都市で英国ではない。当初、デイモンは監督と主演も務める予定だった。だが同時期に報道現在で公開中の映画「グレートウォール/東宝東和」に主役として出演し、結果的に本作を自身の後輩・アフレックに譲った形となった。
トークショーでは、この点について板谷と有村は触れた。二人は二月時点で観賞している。有村から、もしデイモンが主演だった場合について板谷は問われ、「(デイモン)はギラギラしている。枯れた感じはケイシー・アフレック。」と、主演を譲った事により奏功した感を女優目線より伝えた。有村は本作を「引き算の演技。」と称し、随所に「隙間がある。」と冒頭部を筆頭に描写力と各自の演技力について絶賛。特に雪を掻くシーンの音と情景に悶絶していた。
有村もこれに同調し、「説明がない、少ない映画。」と大人の映画である点をアピール。作中の展開における時間軸の切り方を「シーンのパズルの組み立て方。」と表現し、脚本上がりのロナーガン監督を褒めた。本作は兄の死をきっかけに、主人公のリーが故郷に戻る。リーは兄の遺言で甥の後見人となる。心を閉ざすリーが否応なく過去と向き合い、一人の男が一歩を踏み出す。有村は「心を動かされるか、されないか。映画の中で、その役者が生きているか、否か。」と熱を込め、「このワンシーンに生きているか、どうか。」と再三に亘り強調した。
本作のユーモア性についても触れ「ユーモアを探さないと大変じゃないですか、人生って。」と、四十代で二児の母としてコメントし、本作が大人の人生観をユーモアも含み一つ指し示している点を伝えた。公開は五月十三日より。
=物語り=
アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリーは、突然の兄の死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってきた。兄の遺言で16歳の甥パトリックの後見人となったリーは、二度と戻ることはないと思っていたこの町で、過去の悲劇と向き合わざるをえなくなる。
なぜリーは心も涙も思い出もすべてこの町に残して出て行ったのか。なぜ誰にも心を開かず孤独に生きるのか。父を失ったパトリックと共に、リーは新たな一歩を踏み出すことができるのだろうか・・・・・・?
=クレジット=
監督・脚本:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、カーラ・ヘイワード
2016年/アメリカ/137分 © 2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.
ユニバーサル作品
配給:ビターズ・エンド/パルコ
5月13日(土)シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか 全国ロードショー
日本最速試写トークイベント『マンチェスター・バイ・ザ・シー/㈲ビターズ・エンド、㈱パルコ』
画像提供:㈲ビターズ・エンド
撮影記事:金剛正臣