This is BOSSA NOVA
公開初日だったので、カルロス・リラの舞台挨拶、演奏が聞けた。近くまで来たから、ちょっと寄ったよ〜的な、気さくなおじさんという風体でフラッと会場に現れた。でも軽やかなギターの音に載せて、優しい声をふりまきはじめると、その存在が会場全体を涼しくてリラックスした空間に変えた。
映画は、1950年代後半にブラジルで生まれた「ボサノヴァ」の歴史を描い たドキュメンタリー。現在も活躍する、カルロス・リラとホベルト・メネスカルが語り手となって、ゆかりの地を訪れ、ボサノヴァ誕生のエピソードや魅力を語りながら、その歴 史をたどっていきます。途中途中で資料的に挟まれる、エピソードに関わるミュージシャンたちの映像がとにかく満載。今は亡きアーティストの貴重な演奏や今現在も活躍するミュージシャンたちのインタビューなど。全編に渡ってボサノヴァの名曲の嵐で盛りだくさん。それだけでも価値があって貴重な映画だなと思う。
特に見れて嬉しかったのは若いトム・ジョビンの練習風景。若い彼が動き、歌い、ピアノを弾く姿は眩しくて素敵すぎだ!そして、印象に残った言葉は「ボサノバは心のあり方である」。
ブラジルが輝いていた時代、若者たちがその文化を楽しみ、政治を語り、夢を語り、恋人と愛をささやく青春の日々が、名曲の数々には詰まっている。そんな言葉がリオの波、太陽の光、風のリズムから生まれるメロディと一体となったところが、ボサノバを単純にクールなだけじゃなく、暖かみも伴った、心地よいものにしているんだろうなあ。そして、そんな気分が受けるのは、決して今のブラジルではなく、今の日本だったんだな。
映画のあと、Bar Bossaへ行くと映画帰りと思われる人たちで珍しく満席。なんとか入れて映画を振り返りながら、roseちゃんとカイピリーニャを飲んで帰りました。