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読み返す「鉄コン筋クリート」松本大洋

2007.01.09 14:18

大好きな松本大洋の「鉄コン筋クリート」が映画化されたが、何かと時間が取れずまだ見に行けていない。でも、原作は何年も本棚に仕舞いっぱなしで、良い話だったのは覚えているけど、果たしてどんな話だった…?というわけで、久しぶりに読み返してみた。

簡単に言うと、古い繁華街“宝町”で暮らす二人の少年クロとシロの友情の話なのだが、この二人は親が無く、カツアゲなどを手段に毎日を凌ぐ街一番の悪ガキ。そんな二人を警察は手に負えないものの、半分哀れむ気持ちで見守っている。そんなある日この街へ昔なじみの悪いヤクザが舞い戻ってきたのをきっかけに、街が変わり始める。さて、クロとシロはどうする……?というもの。

で……やっぱり良かった。「クロの足りないネジ、シロがみんな持ってる」シロの言うことや無邪気な笑顔にはいちいちグッと来る。最後の「お帰り、クロッ!」はたまらない。残酷な表現が多いが、それが彼らの悲痛の叫びを強く訴えてくる感じがするんだな。クロとシロのバランスがとれてようやく「安心、安心」なのだ。人間も社会もそのバランスがむずかしいのだ。

さて、映画ではクロ役に「硫黄島からの手紙」でも注目を浴びる二宮和也、シロ役に蒼井優、他にも宮藤官九郎や本木雅弘など豪華な声優陣なのが楽しみ。早く見に行きたい。