Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

「獅童流 森の石松」

2006.10.26 14:55

ある劇団の「森の石松」の舞台稽古シーンから始まる。公演初日を直前に控えたものの、全く出来上がっていない。行き詰まった脚本家と演出家がひょんなことから、実際の「森の石松」の江戸時代へタイムスリップ。それどころか、演出家(獅童)がホンモノの「森の石松」になってしまった! さあどうする! という話。

急遽チケットを譲ってもらったので「森の石松」について大した知識もなく見に行ったが、有名俳優が次々出るし、突拍子も無い話の展開に、普通に楽しく見はじめたものの、すっきりしないので、幕間の休憩中、一緒に行った父から石松について簡単に教えてもらうと、後半から急に面白さが増した。この舞台を見るなら「森の石松」の浪曲について少しでも知っていた方が楽しいかもしれない。

笑い、涙、歌あり、出演者、劇中音楽のバラエティも豊富で、色んな要素を含んだ楽しいものだった。とにかく色んなことにチャレンジした元気と若さのある舞台だったと思う。観客の年齢層は幅広かった。年配層には刺激が強かったかも? でも獅童のナマ尻があんまり綺麗なので許されると思う(笑)。

これを見て興味を持ったのが、劇中で使用されていた浪曲師・二代目広沢虎造の「森の石松」。実在する(定かではないらしい)石松をもとに作った浪曲。父は子どもの頃、面白くてこのレコードを繰り返し聞いたとのこと。中でも有名なのが「石松三十石船」。その中の「バカは死ななきゃ直らない」「寿司を食いねぇ」などは流行語となった有名なセリフだそう。今でも使いますね。シブガキ隊も歌ってたし。浪曲は三味線と歌との融合、ミュージカルのようなもの。この舞台も最後歌で締める辺り、リンクさせてるの? なんて思ったりした。今度ぜひ浪曲「森の石松」を聞いてみようと思う。

(photo:遠州・大洞院にある石松の墓。商運、ギャンブル運を呼ぶという噂が広まり、削られたり盗難にあうなどで何度も作り直されている。また、これ以外にも石松の墓と呼ばれるものがいくつか存在するという。)