35の夜
2015.09.09 01:10
土曜日
PORTE BLEUEに
OPEN当初から通ってくれている
しおりちゃんの結婚パーティーに
みんなでお祝いに行きました。
とよひさくん&しおりちゃん
幸せそうな笑顔がみれて
すごくほっこりさせていただきました❤️
パーティーに参加してみて‥
98%が僕より年下で‥
若いパワーに圧倒されながら‥
主賓みたいな席まで用意していただき
なんかいろんな気遣いさせちゃったかも
なんて考えながら‥
でも
お祝い出来て良かった。
おめでたい1日はまだまだ終わるはずもなく
このあと
2次会
3次会‥
カラオケ‥
ほぼ最年長の僕も‥若手に負けてられるか!と
お祝いソングを届けるイメージを膨らませて イメージです [byスーパー尾崎]
海と瀬戸大橋の夜景が一望できるパーティールームで
カラオケがスタート
2時間くらいみんなの笑顔と歌を鑑賞‥[まだ、スーパー尾崎の出番はなし]
時間も深夜24:00をまわり
みんなの盛り上がりは最高潮に‥
と、同時に
連日の寝不足がたたり
僕のまぶたが急激に重くなったのもこの時間からでした。
となりの席の子に
僕「ちょっと、明日仕事なので先に帰ろうかな?」
となりの子「何言ってんっすか?まだまだ行きますよ〜」
気を遣ってか、全力で止めてくれる‥爆
出番のないまま
さらに1時間‥
睡魔との戦いの末‥
とうとう限界に達した僕は
トイレに行くみたいなニュアンスで
最高潮のパーティールームから脱出!
ここから家まで徒歩5分‥
帰るか!帰らないか!
究極の2択に決着をつけようと
ふと重い足を進めると‥
土曜の夜にもかかわらず
たまたま隣の部屋が空室なのを発見!!
誘われるように‥
真っ暗な‥誰もいない
安息の場所へ
こっそり入室。
隣の最高潮の残音が少し気になるが
当時の僕にとっては充分すぎる空間だった。
深く深呼吸してみた‥
ほぼ最年長‥
社長‥
美容師‥
いろんな重圧が一気に肩から降りていくのを感じた瞬間だった。
ソファーに腰掛け
これからの自分のことを
考えてみた。
どうやって帰るか‥
体勢を変えて
長細いソファーに横になってみる。
最高潮からこぼれる気の利いたバラードが
さらに眠気を誘う‥
瞼が落ちるまでそんなに時間はかからなかった。
どれくらい刻が流れただろう‥
次の瞬間
目の前に閃光が放たれたように
周りが明るくなった
聞き馴染みのない声と
見たことのない景色‥
なにがなんだかわからず
真っ白になった。
同時に
聞き馴染みのない声が‥
まるで
怒声のように鳴り響いた
「だれやねんっ!」
さらに
聞き馴染みのない男女の声がつづく‥
「キャー」
「誰かおるっ!!!」
「寝よんちゃうん?」
さらに
「オレら部屋間違っとんちゃうん?」
状況は掴めた‥
目の前には初めて逢う男女が6人
ご新規さま6名の入室です。
僕「あっ!たぶん間違ってないと思います!」
僕「寝てました!失礼しました!」
遅れて入ってきた店員さんにも‥
僕「失礼しました!ちょっと横になってました!」
ちょっとコワモテの人の彼女らしき
可愛い女性の遠慮がちな笑い声に
背中を押されるように
パニック状態のまま部屋を飛び出しましたっ!
恥ずかしい‥
やってしまった‥
眠りから醒めて
ちょっと呑みすぎたかな‥と
少し反省した。
冷静を装い‥
最高潮の部屋へ戻らなければ‥
不信感を抱く間もなく
パーティールームの扉を開くと
これまた
想像していなかった景色が広がっていた。
誰もいない‥
こぼれ落ちそうな心臓を
置き忘れないように
誰もいなくなった部屋に入り
扉を閉めた。
テーブルには
空になったスカイブルーが
寂しく並んでいる。
頭の中の整理をしようと
ソファに腰掛ける‥
少しずつ記憶を繋ぎ合わせる‥
宴は終わったんだ‥
部屋から見える瀬戸内海は
いつもより
静かだ
すると
宴が終わったパーティールームの
扉がガチャっと
音をたてて
安息の場所だったとなりの部屋から
ご新規6名様の案内を終えたばかりの
店員さんが部屋に入ってきた
店員さん「あのー 皆様帰られましたよ!」
恥ずかしいっ
恥ずかし過ぎるっ
すべての僕の近況を知っている店員さんの
やさしい目‥
恥ずかしいっ
どこかに隠れたい
忘れてられて帰られちゃった人‥
社長‥
年上‥
自分なんて居ても居なくても‥
繰り返し打ち寄せる猛烈な
自己嫌悪の波‥
やさしい目の店員さんが部屋を出て行くと
頭の中であのメロディーが流れてきた[スーパー尾崎]
自分の存在が何なのかさえ 解らず震えている
35の夜
ふと時計を見ると
最後の記憶から1時間半経っていた。
すべて終わったんだ
自分でも不思議な安堵感を感じられる
しかし
このまま今日は終われない
再び冷静を装い
ここから脱出しなければならない‥
これ以上
誰にも気付かれないように‥
気持ちを切り替えて
帰路へ向かう
誰もいないのを確認して
長い廊下を
受付へと向かう‥
少し首の付け根が痛いのが気になった
どうやらソファーで寝違えたようだ。
受付に行くと
2名の店員さんが立っていた。
完全にこっちを見ている‥
よりによってふたりとも女性だ
何も知らない女性に
忘れられてみんな帰っちゃったんです‥
と先に仕掛けるのはリスキーだ
そんなことを考えていると
ギリギリのところで
すべて知っているやさしい目の店員さんが裏から出てきた
フォローするかのように
受付の女性に
やさしい目「お会計は終わっていますので‥」
と囁いたのが分かった。
なんだかよく分からない状況のなか
「ありがとうございました」
と微笑んだ店員さん
たぶんバレている
再び
恥ずかしさが込み上げてきた
なんとか下りのエレベーターに乗り込み
出口へ急ぐ‥
最後の大きな自動扉までたどり着いた
そして
ゆっくりとその扉がひらく‥
そこには
またしても予想していなかった光景が広がっていた
両手を広げ
円になった最高潮の人たちが
一本締め
のクライマックス状態
隠れる時間は無かった‥
ゆっくり開いた大きな扉と共に