奈良女子大・大学院「五輪シンクロ元代表の石黒由美子さん」いじめゼロ願い「研究究める」
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交通事故による大けがを克服し、
シンクロナイズドスイミング北京五輪代表にも
選ばれた女性がこの春、神戸大大学院で学んだ６年間を終えた。
事故が原因で受けたいじめ体験を踏まえ、心理学などを研究。
今月からは奈良女子大大学院に学びの場を移し、
「いじめゼロ社会を目指し、研究の第一人者に
なりたい」と意気込んでいる。
東京生まれの石黒由美子さん（３１）＝奈良市。
小学２年の時、交通事故で顔面を粉砕骨折し、
５４０針縫う大けがを負った。術後は、縫い痕を
からかわれるなどいじめに苦しんだ。
仲間外れや嫌がらせが深刻だった中学時代を
「先の見えない恐怖で絶望のふちだった」と振り返る。
そんな石黒さんを支えたのが「シンクロでオリンピックへ」
という夢だった。表現力を磨くためのトレーニングで
自然な表情をつくれるようになり、振り付けを覚えるための
小芝居の反復が事故による記憶障害の克服にもつながったという。
チーム５位の成績を残した北京五輪後の２００８年に現役を引退。
自身の経験を踏まえ、部活動のいじめ問題などを研究するため、
０９年に神戸大大学院の博士課程に入学。
神戸市灘区で暮らしながら、運動心理学などを学んだ。
研究の合間には、全国の小中学校を訪れ、
元五輪選手として講演する活動も続けてきた。
月数十件寄せられる子どもたちからの相談に応える中、
より幅広い研究の必要性を痛感。「悩んでいる子を救える
研究者になりたい」という思いが強まったという。
奈良女子大大学院では、新たに教育心理学を研究テーマに選ぶ。
「神戸で、自分の進むべき道が見つかった」と石黒さん。
「（奈良でも）土台から積み上げていく」と夢の実現を誓った。
引用「神戸新聞NEXT」
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