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ICHIGO ICHIE

グランでの取り組みについて

2021.11.12 01:25


P.P.P.プラットフォーム!玉島が運営する洋菓子店「グラン」のみなさんが、

先日試食品として、新しくなったシフォンケーキを持ってきてくださいました。

それがとても美味しくて、ぜひどうしてこんなに美味しくなったのか、

その理由が知りたく、管理者の中村さんに取材をしたところ、

P.P.P.らしい良い取り組みで、ぜひ皆さんにもその取り組みを知っていただきたいと思い、

ブログでご紹介しようと思いました。



おいしくなった理由は「原点回帰」

洋菓子店「グラン」は元々、P.P.P.が1から立ち上げたわけではなく、

街で人気のパティシエさんが、引退をしてお店を閉めるタイミングでお話をして

お店そのものを譲り受けたところからスタートしました。

その時に、そのパティシエさんから、ケーキや焼き菓子のレシピを譲り受け、

作り方を教えてもらったのが、B型事業としてのはじまりです。

以来、10年間、グランではずっと同じレシピでケーキや焼き菓子を作ってきました。


ですが、中村さんが他のある福祉事業所の利用者さんが焼いたシフォンケーキを食べて

「グランのシフォンケーキよりもふわふわで美味しい」と感じ、

ご近所に住んでいることもあり、元オーナーであるパティシエさんに、

なぜその事業所のシフォンケーキは、うちのよりふわふわなのか、

何か配合に秘密があるのだろうか、と世間話的に相談したのだそうです。

「いや、レシピ通りに作っていれば、同じようにふわふわになるはずなんだけどな」と

そのパティシエさんから、作っているところを一度見てみたいという話になったそうです。


そして、パティシエさんに作っている工程を見てもらうと

材料も手順も間違っていないのだが、

例えば「材料をまぜる」という工程に関して、

混ぜすぎてしまったり、混ぜ方が少し違ったことで

空気が入らずに、結果焼いた時にふわふわになっていなかったなど

10年間の間に、職員同士で見よう見真似でやってきたことで

少しずつ「どんな状態になっていればいいのか」がわからなくなってしまっていたのが

そもそもの理由だったのだそうです。


それ以来、パティシエさんを定期的に招いて

作り方を教わりながら、それを利用者さんにお伝えして

商品の品質向上につなげていった結果が、

あの美味しいシフォンケーキにつながったそうです。

↑ パティシエさんから教えてもらったことを利用者さんに伝授中。
 「ツノがたつってどのくらい」を、一緒に見ながら感覚を掴んでもらっています。


抱え込まずに、地域の方を巻き込むことで利用者さんはもっと活躍できる

この取り組みを聞いて、自分たちで抱え込まず、パティシエさんの力を借りることで、

結果、利用者さんの作る商品の価値が高まるという、いい事例だなと感じました。

グランができて10年、もしかしたら、職員の皆さんはずっと

「レシピを教えてもらったのだから、自分たちでちゃんと守らなければ」と

思ってしまっていたのかもしれません。


でも、やはりパティシエさんはお菓子作りのプロ。

その知恵やノウハウは、我々福祉の人間よりも何倍もすごいものです。

私たち福祉に関わる人間は、その知恵やノウハウを、

利用者さんにわかりやすく、利用者さんにもできる形で伝えていくこと。

それが福祉の「プロ」としての仕事だと思います。


今回のグランの取り組みのように、

地域の方が関わることで、利用者さんの活躍の場を広げ、手がけるものの価値を高める動きが

法人全体に広がっていくと、就労事業はもっともっといいものになると思います。


最後に、今回はシフォンケーキのみだったのですが、

今後はシュークリームやチーズケーキなど、色々なお菓子づくりに関しても

パティシエさんに教わりながら、改良を続けていかれるとのこと。

これを読まれている皆さんも、さらに美味しくなったグランのお菓子を、

ぜひ手に取って、食べてみてください。

そして、美味しいなと思ったら、ぜひ他の方にもおすすめをしてください!