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the dresscodesについて。

2017.04.28 04:30


ふと、なんとなしに聴いた曲が何故か染みる時がある。


最近、そんな体験を久々にした。


the dresscodes(ドレスコーズ)を聴いた時染みるというか刺さったというか、、

それはなんでだろう、、と考えた。


the dresscodesは2012年に結成、当時4人体制で活動していたが、2014年から志磨遼平のソロプロジェクトとなった。今は流動的にメンバーが出入りしながら活動している。



まず、詞の内容について。

the dresscodesは全体的に曲を聴けば分かるが抽象的な表現が多い。ただその抽象的な表現に加えてストレートな表現もある。

青春パンクみたいなメッセージ性のある詞が多く使われている曲はメッセージとメッセージが飽和してしまい結局伝えたいことが埋もれてしまう事もしばしば。


その点the dresscodesは抽象的な詞で情景を作り、その中に伝えたいストレートな詞が配置されているので自然に頭に入って、そして刺さる。


つまり、歌詞が死なない。さらに抽象と具体のギャップが曲自体に深みを与える。


次に志磨遼平のアンニュイな声について。

最近では洗練されて、整った隙のない声で歌う人が多くて、そんな声が人気を集めていると僕は思うのだが、その声を聴くと感覚的に距離を感じてしまう。

その距離が熱を冷まし、曲そのものを嘘っぽくしてしまうこともある。


その点、志磨の声は飾りがなく、全てを曝け出してるような感じがして近くに感じられる。

そんな声で「最高以外は最低なんだ!!」(the dresscodes『トートロジー』より)

とか言われてしまったら拳を突き出したくなる。

確信犯も甚だしい。


志磨本人はライブで自分自身を「ペテン師」だと言っていたが、僕はこうして志磨遼平の術中にはまった。


そんなthe dresscodesは2017年3月1日に5thアルバム『平凡』をリリースしている。

そこに収録されている『エゴサーチ&デストロイ』のMVが公開されているが、

画面が縦に二分され、それぞれの画面でそれぞれ「個性」と「平凡」の2つのキャラクターを志磨本人が演じている。


平凡になる事に抗い個性を探し続ける人間の葛藤を聴覚的にも、視覚的にも完璧に表現できている。


CDのジャケットと曲の始まりがドイツの伝説のテクノ集団Kraftwerkのオマージュを感じられるのもポイント!!


新たなジャンルを試したい人には是非オススメです!!

エゴサーチ&デストロイ/the dresscodes