真摯な人。
私が好印象を受けるのは、
能力の高い子ではなく、
能力以上を目指す子です。
毎週毎週見ていますが、
ああ、今週は変化した、
先週よりもよくなった、
とかいう短期的な変化だけでなく、
性質が抜本的に変わって、
素晴らしい精神が備わった、と
そんな変化も見逃しません。
良い変化も悪い変化も当然ありますが、
良い変化がある時には生徒に
ひと声かけることを忘れません。
いや、逆にあえて声をかけない
ケースもあるのですが、それは、
本人が今の努力を自分で
価値化できている時です。
もう少し待ってみて、
もっと良いパフォーマンスが
出た時に評価してみたら
もっとモチベーションになるかな、とか。
色々考えます。
日本語に、紡ぐという言葉があります。
つなげて、一体のものにするという
意味です。
勉強は、そういうものです。
何かを達成したら終わりなのではなく、
いつも繋げ続けて、自分という存在が
世の中に存在する他者と有機的に結びつき、
化学反応を起こしてゆく、そんなものだと。
自己満足、自己完結、そんなもののために
学んでいるのではありませんし、
まして、人を蹴落として優位に立つなんて
そんな時代は終わり始めてますよね。
特性、得意分野を活かす、
それは当然のことです。
しかし、多方面に関心を持ち、
他分野にすら応用できるほど
基礎的な考え方が成立している、
それは重要なことです。
紅人会、の、紅の字は、
いとへんに、工の字をあてます。
いとへんを使ったことにも、
個人的には意味を持たせており、
やはり、糸は編む、紡ぐ、といった
つなげてゆく意味がある漢字が多いです。
私は、そのような存在になりたいし、
子どもたちの存在も、その学びのあり方も、
たとえどんな人生を歩もうとも、
そのような存在になって欲しいと
考えてきました。
世界を取り込んでゆく力を。
これが教育理念ですが、
それは、本当に綿密に糸を
編み込んでゆくような、
紡いでゆくような、
具体的な経験や知識、
時折ある爆発的な学習、
それら全てを経て、
子どもたちに、先に述べたような
生き方を実現してもらいたいのです。