【ALORB】が届くまで! vol.2
ブレンドテクノロジーとハードルテクノロジー
今回は開発の中で見出したブレンドテクノロジーとハードルテクノロジーについてお話しします。
ブレンドテクノロジー
商品を開発・製造するのに大前提で最も大切なことは商品の品質の維持です。いくら良い商品ができてもその商品がお客様の手に届いてから使い終わるまでの間に腐ってしまったり、分離してしまったりしては全く意味がありません。そのために今までは非常に優れた成分であっても夏場の暑い時期に分離してしまったり、冬場の寒い時期にかたまってしまったりと品質を維持できないような成分は使用できなかったのが現状でした。しかし、品質が維持できないという理由で髪に良い成分を使用しないのは非常にもったいない話です。
そこで製造工程において成分を混ぜるスピードの調整、成分を配合する温度やタイミングの調整などといった成分をブレンドする際に特殊な製造技術を使うことでこの問題をクリアしました。このように髪に良い成分であっても品質が維持できないという理由で使用することが難しかった成分(例えばココイルメチルタウリンMgというカラーの色落ちを抑える働きがある界面活性剤など)がこの特殊な技術となるブレンドテクノロジーによって使用できるようになりました。
ハードルテクノロジー
現在販売されている化粧品のほとんどの商品には防腐剤というものが配合されています。この防腐剤というのは商品に菌が侵入しても菌の発育・増殖を防ぎ商品を腐らないようにするという働きがあります。
この防腐剤も使用する種類や配合量によっては人間の肌表面にある常在菌とよばれる良い菌まで殺してしまうケースがあります。常在菌が少なくなると肌の抵抗力が弱くなり刺激を感じたり、肌に異常がでる場合があります。
そこで防腐剤を配合しなくても商品が腐らないようにするための方法を数年にわたり考えて研究した結果、それを実現することが出来ました。それがハードルテクノロジーによる防腐剤フリー処方の実現です。
ハードルテクノロジーは食品業界でよく使われるテクノロジーで、菌の嫌がる環境づくりをすることで商品を腐らせないようにするという考え方です。いわゆる商品を菌の嫌がるpH(ピーエイチ)にしたり、菌が好む水をすこしでも少なくするなど菌の嫌がる要素となるハードルを商品の中に多く仕込むことで菌が商品に侵入したとしても菌の発育・増殖しないようにするということです。
アローブのホームケア商品にはこのハードルテクノロジーによって防腐剤が配合されていません。従って人間の肌表面に存在する常在菌に影響を与えず、お客様が求める安心安全な商品にまた一歩近づけました。
この大きな2つのテクノロジーはアローブに限らず今後のタマリス商品の開発にも大きな飛躍をもたらすテクノロジーになります。
私たちは
洗髪テストの回数 15,381回
試作品の数 9,940品
アローブの開発に 約6300時間
の時間を費やしましたが、これでアローブシリーズが完成したとは思っていません。
これからの時代は医療技術の進歩によって人生100年時代になるといわれています。これは単に寿命が長くなるだけでなく、健康寿命が長くなることを意味しています。そうなるとお客様の美意識や予防意識がより一層高くなると考え、2019年には酵素ケア商品のアローブENシリーズをリリースいたしました。このように今後も時代の流れにあった開発をしていくことで、アローブシリーズを常にアップデートしていきたいと思っています。これもすべてはお客様に今の髪を美しく、未来の髪を美しくという『生涯美髪』をご提案していきたいという思いがあるからです。
最後にアローブホームケア品に設定している自主開発基準を紹介します。
【製品の基準】
1. 90%以上天然由来成分原料を配合する。
2. 使用感、効果の実感を追求し、可能な限りデータで証明する。
3. 全ての商品において肌への負担がないよう処方を選択する。
4. 動物実験はせず、社内テスト、モニターテストを積極的に行う。
5. トレーサビリティ (原料精察から商品発送まで)の徹底を図る。※1
【原料の基準】
1. 生産地や由来原料が判明している天然由来原料を使用する。
2. 地元京都伏見の天然水 を使用する。※2
3. 可能な限り生分解性の良い原料を使用する。
4. 独自のハードルテクノロジーを応用し、パラベンをはじめ防腐剤を使用しない。
5. 独自のブレンドテクノロジーを応用し、必要以上に安定剤を配合しない。
6. ラウリル硫酸塩、鉱物油、紫外線吸収剤、合成着色料は使用しない。
7. 遺伝子組み換えされた原料は使用しない。
※1 「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること
※2天然水を精製したもの
次回は製造現場を紹介いたします!
コラム:SYOUTA