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流れていくもの、留まるもの

2021.11.12 11:00

今日の20時、村岡宏樹朗読「poetry reading【RE/START】04『流れていけ』」が公開となっております!

今回からの「スタート」と「リスタート」は、私自身の実体験に基づいて書いた創作です。

※あくまで創作


死生観は人それぞれ。

それが今回想ったこと。


父が亡くなったのは何年前かなぁ…2019年の6月なので、まだ2年ちょっとかな?

その時のことが題材になってます。


父の緊急入院が決まって、急遽実家に飛んで。

主治医から話を聞いて、信じられなくて信用してなくて。


なんとかセカンドオピニオンに漕ぎ着けたけど、

(あの時の態度は今でも忘れねぇ…今なら分かるけどあの時感じたことは消えないんだよ)


父を連れての移動ができなかったから、東京の病院に一人で乗り込んで、薄々感じていたけど納得できなかった現実がやっと飲み込めて。


薬もない、手術もできない。

新薬もない、その見込みもない。

今の身体の状況、元々のこの病気の仕組み、今の病気の状態、これからどうなるか。


先生に特別に許可をもらって、実家の兄ともスピーカーをオンにして話してました。

(時々、訛りが強いから通訳もしたw)


あの時の無力感。

何にもできない。

何の力にもなれない。

どうすることもできない。


「あー、ちっぽけだな」って感じたのは、劇団が無期限の活動休止を決めた時から二回目。


よく漫画とかだとさ、大切な人が亡くなって「医者を目指すんだ!」「薬の開発してみせる!」とかなるんだろうけど。


そんな時間はない!私は今すぐ力が欲しいんだよ!(笑)


そう思って、セカンドオピニオンの先生との話が終わった後、飛行機の時間を確認して、時間ギリギリまで他の階にある身体のことや緩和ケアなどの貼り出しものをメモしたり、写真撮ったりしました😅

※実際は写真を撮っちゃいけません。

私はその時近くにいたスタッフさんを捕まえて、無理矢理許可を取りました。

あの時は無理言ってごめんなさい🙏


飛行機の機内に持ち込んだ、病院の冊子の数よ(笑)

泣きながら読んだわ🤣🤣🤣

そして重くて、肩がもげるかと思ったわ😂😂😂


職場の全面バックアップもあって、社長に病気の状態を伝えて身体のマッサージを教わり、先輩には気持ち的な面で支えてもらい。

緊急入院の時から数えたら休みも約2ヶ月近く、何も言わずに送り出してもらいました。

(葬式で花輪までいただいたのに、まさかのお店の漢字が間違えられてて本当に土下座したかった)


家族も知らないことだらけだから(そりゃそうだ)、必死で調べて、病院の中にある地域サポートセンターの方にも相談して、分かりやすく噛み砕いて母に説明して。


もちろん。

父にもセカンドオピニオンのことを話さないといけなくて、今後どうしていくかを話さないといけなくて。

「手術はもうできない」は正直に言った。

「でもね、薬が今開発中なんだって!まだ治験はできないし、まだまだ先だけど!でも、薬ができたら手術できなくてもいいんだよ!」って嘘をついた。


だって、父はその時はまだハッキリと「まだ死にたくない。生きたい。」「だから俺はセカンドオピニオンを受ける」って言ったから。


もしも、本音だったとしても。

実はそれが本音じゃなくて、私達のことを想って言っていた言葉だったとしても。

そう言葉にしたことは、とても凄いことだと思うし、怖かったと思う。


中途半端に期待させてごめんね。

でも、その後はまさかの回復が凄まじくて、食べれなかったご飯も「薬ができるまで生きなきゃいかん!」て食べるし、起きて話すようになって。

(ちょっと無理してたよね)

今までもお父さんって凄い人だと思ってたけど、より「うちのお父ちゃんすげーんだよ!」てなった。


私はお母さんよりお父さんっ子だったからね。

より思ったよね。


もうこの歳になると、子どもの頃みたいに抱きついたり一緒に寝たりはできないけど。

ただ一度だけ、もうモルヒネの投与で寝たきりになった時の見張り番を一人でしてた時に、こっそり胸元に顔を寄せたんだよ。

色んなものついてるから、抱きつけなくて。

負担にならないように、顔だけ乗せた。


もう、父の匂いはなくて。

薬の匂いしかしなくて。

子どもの頃に感じたお父さんの匂いがどこにもなくて。


すんごいショックだった。



人が一人生まれる時も命がけだけど、死ぬ時も命がけなんだよ。

本人も、周りも。


それを忘れてしまうのも、人間なのよね。



今回の「流れていけ」と来週公開の「会話」を書いた時、久しぶりにあの時のことを事細かに思い出して。


村岡さんとは電話で詩の説明をして、号泣wwwww

そして社長が宮崎まで来てくれたことが伝説になっていて、いまだにその話で盛り上がる😂



その時に悟ったのは「あ、私はまだ消化できてないんだな」


村岡さんにも、病院に通ってた時や葬儀の時はアドバイザーみたいな感じで色々話聞いたり、相談したりしてたから、事情通なのです😂

だからそこまで詳しく説明してないのに、号泣wwwww


ちょろい女だと思ってくれ(笑)

私はすぐ泣くんだwwww

「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものよ、昔の人よ。


きっと演出する側として客観的に見れてないとダメなんだけど、収録中も泣いたからな😅

村岡さんにしか話してなかったから、さぞ皆さん驚かれたでしょう…いきなり笑いながら泣き出してwww



詩の朗読って、より聴き手側の感じ方で内容が変わると思います。

Aの物事を想って喋ったのに、聴いた人によってはAと思ったり、Bと思ったり、はたまたZだと思われたり…。

まぁ、それは演出意図にもよると思うけども。


今回は『どう感じてもいいや!』て思ってます。

事細かに、このシーンはこうで、あーで、こう伝わらないといけない!…なんてことはないです。


私は当時のことを想って、振り返って、書いたけど。

読み手がそれをどう感じて、構成して、音にしたかはその人のモノでいいと思う。

そして、それを聴いた人がどんなシーンをイメージしたのか、何を感じたのか。


自由だと思ってます。

そもそも、お芝居ってそういうものだとも思う。




うわっ、長い🤭

最近、長い文章ばかりですいません😂

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2021.11.12

20:00更新🎙


poetry reading 【RE/START】

#04. 流れていけ|リスタート 【RESTART】

作:野﨑香奈江

音楽:つーあん

朗読:村岡宏樹(演劇部BonDebut)


#リ_スタート

#TAGUたぐ



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創作ユニットTAGU-【たぐ・う】

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