友達のこと

家を買うという友達の相談にのりました。

某ハウスメーカーに勤めていたわたしは

もう消えつつある記憶を辿りながら

役に立ちそうなことを喋り続けていました。

ここでは彼女をC子と呼びましょう。

C子は、中学校のお友達。

今でも、たまーに連絡とりつつ、会うと変わらず馬鹿笑いする仲です。

けっこう、肉食女子。

美形に弱いらしく、美男子を見るとヨダレが出るそうな。笑

そんな話をしながら「おかしいやろ〜！」と言いながら馬鹿笑いするのです。

「家買うの、不安やな〜」と、

ドリンクセットではなく

単品で頼んだキッシュを頬張るC子の前でわたしは

アップルティーを飲みながら、

「新築祝い、何にしようかなぁ〜」と

すっかり家が建った後のことを考えていました。

「デザインにこだわってる工務店やねん」と

検討中の工務店のホームページを見せてくれました。

「おしゃれやし、いいなあと思ってるねん」と。

C子って、デザイン性追う子やったんや。

中学生のときから今まで、C子と、そんな話したことなかったなぁ。

そうか、C子はおしゃれなもの、好きなのか。

じゃぁ新築祝いも、おしゃれなものを探そうかなぁ。

でも、

C子はどんなものをおしゃれだと言うんだろう。

あぁ、わたし、C子のこと、知らないこと多いなぁ。

何色が好きなのか、どんなバンドが好きなのか、芸能人は誰が好きなのか。

どんな朝食に憧れるのか、

映画はコメディ派かアクション派か、

ひとり旅に行くならどこか、

最後の晩餐には何が食べたいか、

なんていうようなことを

今まで話したことがなかったような気がする。

じゃぁいつも、なんの話してたんだろう。

・・・思い出せない。でも、ずっと笑ってた。

仲が悪いわけじゃない。

話が合わないと思ったことなんてない。

わたしは、C子が大好きなのです。

一緒にいると元気になれるし、彼女の笑顔は大好きなのです。

わたし、C子の好きなものとか

どんな新築祝いを喜ぶのか、ピンとこないなぁと

少し、しょぼんとしたけど、

でも、これって、良い友達だってことだよなぁ、と思い直しました。

C子が嫌いなものが、わたしの大好物だったとしても、

わたしが嫌いな芸能人をC子が好きだと言っても、

そんなこと関係なく、わたしはC子が大好きだってことなので。

一瞬しょぼん、として、すぐに、

うん、一緒に笑えるならそれで十分ではないか、と思い直した夜でした。

新築祝い・・・どうしようかね。