UBER市場について思うこと(アフリカ含む)
評価額は7兆円を越えるUBERですが、アフリカでの浸透度合いもかなりのものになってきていると感じます。また、最近ウガンダに移動してきた際に、他の都市では見かけなかったOOH(看板による屋外広告)を見てビックリしたので、ここらで纏めておこうと思います。
(※定量面に基いておらず、あくまで現地で実際に使ったりドライバーと話したりしながらの個人的な感想の域を出ませんが)
まずグローバル市場として俯瞰して考えると、昨年に中国事業を滴滴(didi)へ売却してしまったり、直近でも、台湾でのオフィス差し押さえや、Lyft(秘密アプリ)追跡の疑いでの訴訟、ケニアでのドライバーの賃上げデモなど、日々ネガティブなニュースが絶えません。GoogleでUBERのニュース検索を行えば、ネガティブニュースの方が多いほどではないでしょうか。。
とは言え、今の時価総額、これからの時代はシェアリングエコノミーが必然の流れであること、などを考慮しても、グローバル市場で既に確固たる地位を築いた巨大企業であることには変わりありません。(そう言った企業がより叩かれやすいと言うのも世の常です)
さて、アフリカ市場でのUBERに関してです。
まだ4カ国しか周っておらず、データも曖昧ですが私見として。
■総論
・既存タクシーよりも安い(輸送領域の価格破壊)ため反対勢力の風当たりの厳しさにどう対応するか(※10~15km圏内でも200~300円ほど?)
・ドライバーの賃上げ要求がどれだけ拡大してしまうか、またそれにどのように対応していくのか
・都心部を少し離れるとほぼドライバーは存在しない(どの都市圏をターゲットにしていくのか)
・国策の方針などがどのような影響を与えるか(国策による既存事業・企業の保護など)
・ライドシェアサービスとして既にアフリカでも出てきている他社に対して、どのような競合優位性を築いていくのか(東南アジアでは既にGrabなどのPlayerに負けている印象)
(以下、周った国順で、首都のみに言及)
■ケニア(ナイロビ)
浸透度は高く、都心部であればほぼ数秒で近くの車が見つかる状態。ドライバーも英語が話せる人間が非常に多く、使い勝手は良い。
・争点
Safaricomのライドシェアサービスの発表がどのような影響を与えるか。M-PESAなどの決済サービスとの整合性など、ユーザビリティがどう優位性をもたらすか。
■タンザニア(ダルエスサラーム)
浸透度はナイロビに次いで高いレベル。ダルエスでは3輪バイク(ピキピキ)などのバイク市場が大きい印象のため、それらとの攻め合いがどうなるか。
・争点
最低賃金を約束しているなど、タクシー業界(2輪タクシー・3輪タクシー含む)との協業・競争関係が今後どちらに転んでいくのか。
■ルワンダ(キガリ)
UBERサービスは存在せず。丘陵地帯(千の丘の国)の地形的な理由が要因として考えられ、市内ではもっぱらボダボダ(二輪バイク)が幅を利かせている。公用語としては仏語があり、英語を話せるドライバーもあまり多くないため、言語の壁も大きい。
・争点
人国1000万人強とマーケットサイズも小さいため、そもそも敢えて参入する必要性をUBERが感じているのかどうか。
■ウガンダ(カンパラ)
そこまで浸透率は高くない様子。他の国と比べて、街中にOOH(看板による屋外広告)が見られる。国として公用語の英語を使う事を強く推奨しているため、言語の壁はそこまで高くない。
・争点
オフライン広告なども打って攻勢に出ようとしているようだが、どこまで市場を拡大していけるか。