商品企画に潜入!新商品が出来るまで!<きめこみの場合>
今回、商品企画にお邪魔して、きめこみパッチワークの絵柄(商品サンプル)が出来るまでの流れを見学させてもらいました。M8号サイズ「きめこみ・椿と妻籠宿」を担当した加藤さんに色々と教えてもらいながら、この絵柄を例に紹介していこうと思います♪
そもそもM8号とは…
M8号サイズは「旅行にいけない方でも、行った気持ちになれる原風景」をコンセプトとした商品です。どういった風景だったら、誰もが想像出来て、作ってみたいと思うのか。商品化する際は、その点を意識しながら制作しています。今回は「冬の風景」をテーマに、絵柄を考えていきました。
資料集め
きめこみパッチワーク全般に言えることですが、コンセプトに沿って絵柄の方向性を決めるために、まずは思いつくままに資料集めをしていきます。写真であったり、イメージするものをスケッチしてみたり。それらをもとに話し合いを行い、絵柄の方向性を決めていきます。
話し合い
テーマである「冬の風景」にはとても難航しましたが、話し合いをしていく中で「〈雪景色の妻籠宿〉に《赤が映える椿》がいいのでは」という方向にまとまりました。それを受けて、イメージする絵柄をラフ画にしていきます。ラフ画は社内で共有し、意見をもらいながら、絵柄を確定させていきます。
清書
確定した絵柄をもとに、実際にきめこんでいけるか(パーツが鋭角すぎないか、細かすぎないか等)調整しながら、ラフ画の清書をしていきます。
それをパソコンに取り込み線画にします。この時に、パソコン上である程度の配色を決めます。
布選び
配色したものをもとに、実際に布をあてて、どの布を使用するのかを考えていきます。例えば、「椿といえば赤」ですが、赤布といっても無地布を使うのか、柄布を使うのか、はたまたちりめん布を使うかなど、いくつかのパターンを出しては意見を聞いてベストな布を選んでいきます。使いたい布があっても、布の在庫がないためにやむを得ず、違う布にしなければならないということもあります。きめこみパッチワークは、使用する布で絵の雰囲気が変わってくるので、布選びには時間をかけて毎回こだわり抜きます。
最終確定
絵柄も布も決まり、いよいよ実際に商品サンプルを作っていきます。きめこみにくい部分などがある場合は、この段階で修正を加えて、線画を最終確定させます。
サンプル作り
きめこみ専用ボードに線画を貼り付け、カッターできめこむミゾを入れていきます。併せて布やフェルト芯も切り出して、実際にきめこんで商品サンプルを作っていきます。
商品準備
商品サンプルが出来てから、布用型紙、使用する布のサイズ等を確定させます。そこから説明書の作成をはじめ、業者さんにきめこみボードや布の断裁、セットなどを依頼し、一つの商品となって皆様の手元にお届けすることが出来ます。
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*担当者に聞きました*
ーーー二作品は、どんなところに気をつけて作ったのか教えてください。
「椿と妻籠宿」は椿が風景の一部になっているので、単体であまり主張をしないように柄布の種類を抑えてバックの建物に馴染むようにしています。逆に「椿とエナガ」は椿がメインの絵柄なので、楽しくきめこんでもらえるように柄布をたくさん使用しました。絵柄に対して、椿がどういう役割を果たしているのかを考えた上で布をかえています。
ーーー商品を担当する上で大変な点など教えてください。
きめこみ商品を担当するのはとても楽しいので、毎回わくわくしながら仕事をさせていただいています。ただ、商品発売までのスケジュール的にどうしても工程の多い商品なので、時間に追われることもあり、時として大変です。また、昨今は、生産体制の関係でどうしても廃盤になる布が多く、使用できる布の種類が減っています。限られた布の中で、見栄え良く、また違いを出していくことに毎回苦労しています。
ーーーお客様に向けてメッセージをお願いします。
お客様から「商品を楽しく作れました」といったお言葉などを頂くと、しばらく有頂天で、嬉しい気持ちで仕事に取り組めます。買ってくださった全ての方が、楽しい気持ちで作ってもらえるように、また、生活に活力や彩りを添えられるような魅力的な商品を生み出していきたいと思っています。