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四季の企画室 野の 福田商店

<レポート>亥の子、こけら寿司、能勢の伝統は興味深い!

2021.11.09 12:29

当店の催しには《寄合い》というジャンルがあり、その一つが「新しい季節の伝統をつくる」です。第一回目を11月1日(月)10時30分から開催しましたので、内容をレポートします。参加者の感想は、一番下へどうぞ。


この寄り合いの詳細については下記をクリック!


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第一回目の参加者

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高江直哉さん(能勢町地域おこし協力隊)

中井真理子さん(水口農園)

福田愛さん(当店主)


※参加申込み順

※名前出し顔出しは任意です



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   流れ

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①自己紹介 2分ずつ 質問&答え計2分ずつ

②目的とゴールの決定 10分

③興味がある能勢の受け継がれているものを各自付箋へ書きだす 10分

④各自説明を加えて発表 5分ずつ

⑤あげたものをジャンル分け 15分

⑥感想  2分ずつ



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店主が進行役となり、ワークショップ形式で進めました。(今までやったことはありませんが…💦)。それぞれの発表時間は平等に。発表内容へは批判せず、否定もせず、というルールを共有してスタート。伝え忘れましたが、話を聴いてまっせ、という姿勢も大切ですね。



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①自己紹介

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「なぜ能勢を選んで住んでいるのか」をテーマに自己紹介をしました。


1人の持ち時間は、2分。質問があれば、回答とともに計2分。私も中井さんも、高江さんは、はじめましてだったので、興味津々♪


中井さんと私は、能勢生まれ能勢育ちのUターン組。


高江さんは、青年海外協力隊で行ったブラジルで気づいたことがあってからの能勢。


そんな3人の過去は、濃くて、時間オーバー(笑)




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②目的とゴールの決定 

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この集まりの趣旨は、告知であらかじめ伝えていたこともあり、店主が書きだした内容に追加があれば出してもらうことにしました。以下、目的とゴールです(第二回目でも疑問・追加歓迎)。


風土、地域資源、こころの部分に沿って、吟味し、活かして、新しい楽しみを模索しつつ作り、実践し、定着させるように何かしら動き、いつか伝統になればいいなあ。


楽しみとは、「食」「行事」「ものづくり」「特産物」をあげました。


追加は、「楽しみ」に「季節ならではの郷土料理」、


伝統そのものへの提案として、伝統についての副読本の必要性があがりました。



店主は、このとき、もう一つの仕事、編集者として関わった記事【受け継がれているものをまず知ることから】の話もしました。民俗学者に、聴いた、受け継ぐことの意義についての記事です。

この中から話をしたのは、行事における、信仰と娯楽の関係について。


「人がつくる行事というのは面白いもので、信仰から発したものは、いずれ娯楽の要素を持ちはじめ、娯楽からはじまったものは、必ず信仰に行き着きます。縄をなうように、自然と両方の要素を持つようになっていく」


とういことなので、行事だけかもしれませんが、「楽しみ」を見出して、続けていくうちに、「伝統」になるのであれば、信仰の要素を持つようになるのかなあ。と。


このときには伝えていなかったのですが、「非常に強い結束力」の話も興味深いです。


地域の行事が果たす役割をひとことで表すなら、“結集”と言えます。行事を通じて、土地の人たちを結集させ、地域をひとつにまとめているのです。これは私がこれまで民俗学の調査をしてきて感じていることですが、伝統的な行事のある村や島は、地域一帯となって積み重ねてきた長い歴史があるので、基盤がしっかりしていて非常に強い結束力があります。



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③興味がある能勢の受け継がれているものを各自付箋へ書きだす

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10分間で、興味のある、あるいは頭に浮かんだ、能勢の受け継がれているものを付箋に書いていきました。


次に、それぞれが興味あるものの説明をしながら模造紙に貼っていきました。


白熱。

この時点で、すでに、2時間経過、12時30分!


途中、天王地区からの訪問者があり、ラッキーなことに、天王唯一の子どもの行事【きつねがえり】の歌を披露してくださったりという時間もありました。


第一回目は、模造紙に貼って羅列するところで終了。


後に、下記のように、店主がジャンル分けしました。


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⑤ジャンル分け

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行事


・お講

各地区内の何軒家で、農閑期の冬に開かれる寄り合い「伊勢講」「大原講」「愛宕講」、山辺地区のみの「大師講」など。それぞれの神様が書かれた掛け軸を掲げ、お神酒等のお供えをして、食事(鶏すきやき等)をするのが基本か。


・雨乞い

岐尼地区の三草山、山辺地区の剣尾山等、各地域(?)の山でおこなわれていた。田尻地区の竜王山では未だおこなわれている。


・亥の子

11月の上旬に地区ごとにおこなわれる収穫を祝う子ども主体の子どもの行事。


・天道花

田の神さまをお迎えして豊穣を願う「卯月八日(うづきようか)の天道花(てんどうばな)」。かつては、多くの家で掲げていたが、現在は、長谷地区で5月8日に執り行われる「御田植祭」の前々日に掲げられている。但し、一軒のみ。次の日の朝には、お神酒と編笠餅を花の下にお供えする。


・道つくり

9月23日の午前中、地区ごとに自分たちが日々使う道を、掃除したり、草取りをしたり、修復したりする。


・昔ながらの注連飾り


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里山利用


・山林、山の仕事

・湿地(生物多様性)

かつては、人間が山林や湿地へ入ることで、環境が保たれ、生物が生存していた。人間も自然の一部であるため、人間が入らなくなると、生物が滅びることになる。里山保全は生活の一つ。という話を高江さんが聴いたと。


・松茸山の入札


・栗ひろい


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●祭り●


・東郷だんじり

野間神社でおこなわれている約270年続くお祭り。奉納されるだんじり6基。


・岐尼神社の秋祭り

岐尼神社で10月上旬に開かれる秋祭り。だんじりや太鼓が奉納される。


・獅子舞

山辺神社の秋祭りに奉納される獅子舞は、魔物を祓う。能勢町の無形民俗文化財に指定されている。


・様々なお祭り


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●景色・地形●


・岐尼田(きねんだ)

岐尼地域にある能勢保育所あたりから長谷へ行くまでの田園地帯


・長谷の棚田


・峠(浮峠、名月峠など)


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●文化●


・人形浄瑠璃


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●特産物(収入源でもある)●


・栗、銀寄栗


・米


・菊炭


・酒(秋鹿)


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●食(行事食、季節の食)●


・杮(こけら)寿司

押し寿司の一種。人が集まるとき、武者参り、やぶ入りなどに作られていたとか(現在は一部で作られている)。「こけら」は、材木を削った時に出る"削りくず"のこと。こけらに見立てた具材を菱形に切って重ねるのが特徴。


・鯖寿司

秋祭りのときに食べる寿司。


・役場の味噌づくり


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●名物●


・でっちようかん

かつて寒天が特産物だったことから、寒天、砂糖、小豆のみで作られた冬の名物。



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⑥感想

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感想は後日に聞きました。


Q.三名であげたものの中で、これいい!と心が動いたものは?


高江:亥の子

子どもの社会や主体性を大事にしている風習が昔からあったこと、町で子どもを見守る素地が能勢にあるというのは、これからの子育て世代にとって大切なことですし、そういう価値観を持った方が移住またはUターンを考える材料になるのかなと。


中井:杮(こけら)寿司

アレンジができるし、広がりそうだから。


福田:杮(こけら寿司)

現在も柔軟に作れそうだし、それぞれの家の特徴が出そうで面白そう。


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Q.今回のことで気づいたこと、わかったこと、感じたことは?


高江:地元の文化が消えそうな今、生まれも育ちも能勢の方のお話しを聞くことは大変ありがたいですし、貴重だと思っています。このように新規移住者と能勢っ子の接点を増やすことは大切なのではないでしょうか。


中井:杮寿司をあげましたが、オリジナリティが少し不足気味かもしれません。色々出た中で、能勢にしかないものって中々無くて、何かキーになるものがほしいところです。色々出たもの全部を合わせて能勢なんですけどね。オリジナリティって難しいですね。特産品の開発をしているわけではないから、その場所の時間の流れを入れて、考えていきたいです。


福田:別の人が加わると、興味のあるものは、さらに増えるとは思うのですが、文化や名物など、数が少ないとわかりました。中井さんのいう「オリジナリティ」は、出そうとしたら難しいので、風土や資源を活かせているかを重視したほうが良いのかなと思います。そこへ、色々な人の経験からくるアイデアをかけ合わせたりすると、「今の能勢らしさ」が出るのではないでしょうか。伝統って何のためにあるのかを話し合えると、何かが見えてくるのかも。ぼちぼちと楽しんでいけたら。


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第二回目は、12月13日(月)時間未定 

新たな参加者、大募集!


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四季の企画室 野の 福田商店


大阪府豊能郡能勢町今西198-2

(今西商店街内 )


営/12時~17時

(催しがある日は、13時頃~17時)

※催し開始時間は、当店営業時間と異なりますので、ご確認くださいませ。


休/火・水・木 

※臨時休業が時々ございますので、お手数ですが、HOMEカレンダーでお調べの上お越しくださいませ。


✉ fukuda.showten@gmail.com


🚌阪急バス西能勢線「森上(もりがみ)」停留所より西へ徒歩約5分 

🚙大阪市内・神戸市内からは高速ご利用で約1時間 専用駐車場アリ