大岳山(おおたけさん)御嶽駅からみんなでハイキング。
標高929mの御岳山と1267mの大岳山。この2つの山を経由する登山コースは、東京都の青梅市・奥多摩町から檜原村にかけて南下していくコースが有名になります。
御岳山の周辺では、御岳渓谷や釣り場、キャンプ場もあります。上の写真は、御嶽駅の正面から国道側に架かる御嶽橋の上で御岳渓谷を撮影しました。御岳山に向かう際、西東京バスにすぐ乗り込むのもいいと思いますが、御嶽橋で眺めを一望してからバス停に向かうのもありかもしれません。土日休日の早朝は奥多摩行の電車内が混雑していますので、ちょっとした精神的ストレスをここで吹き飛ばしてからバスに乗れば気持ちも落ち着くかもしれませんね。
御嶽駅の近くにはコンビニがあるため、そこで昼食や飲料水を揃えられます。コンビニでも都心と山では置かれているものが違っています。奥多摩や山梨、長野のコンビニでは登山者に合った食料・物品が豊富に揃えられていることがあります。登山グッズの忘れ物をしても補給ができることもあるため、登山前にダメもとで近くのコンビニへ入ってみると代用品が置いてあるかもしれません。
今回は、御嶽駅からケーブルカー下の滝本駅まで歩行で移動しました。ガイドブックでは西東京バスで10分280円という案内が出ています。徒歩では約1時間を必要とすることを考えて下さい。この鳥居は吉野街道沿いのT字路交差点にあり、ここを通過した後は道路と並行する大沢川の音を聞きながら歩くことになります。静かな早朝にしっかりとした日差しが道路を照らしてくるため、ハイキングに向けて体や気持ちが元気になります。
ケーブルカー下(滝本駅)に到着したら、上の写真にあるケーブルカーを使用するか、下の写真にある表参道を使用するか選択できます。青梅線御嶽駅はJRですが、この御岳登山ケーブルカーは京王電鉄になります。
往路は体力があるため、表参道を利用して登れば立派な杉並木を楽しんで御岳山の頂上を目指すことができます。
杉並木には一本ずつ番号がふられています。いちばん下に立つ大杉は784番で、上に向かって1番まで本数を数えながら御岳山頂上への到達目安をつけることができます。
表参道は森林の中からたくさんの鳥の鳴き声が聞こえ、その癒しを感じ取りながら自分のペースでゆっくりと歩くことができます。ゴールデンウィークでも高尾山の1号路のような混雑とは無縁のまま歩くことができました。
この表参道は関東ふれあいの道といわれ、都内では7本あります。御獄駅から上養沢までの関東ふれあいの道に「杉の木陰のみち」という名称がつけられ、歩行距離は11.5kmで歩行時間は4時間40分が設定されています。ここは「杉の木陰のみち」の経由地点になっているのです。
表参道は舗装されていても急な斜面なため、休憩ポイントが点々とあります。そこにはベンチもあるため、落ち着いてリュックの中のものを探せます。「あれ!?すぐ横にケーブルカー!カメラ・スマホどこ?どこ!?あ”ぁぁぁ過ぎてっちゃったあぁぁぁ!!」こんなこと、よくありますよね。登山では歩きながら飲み物や地図、カメラ、スマホ、ストック、グローブ等をリュックから出し入れすることがあります。そのため、リュック内の整頓が崩れて私物の把握が困難になりやすい場合があります。そのため、休憩時はサイドポケットのペットボトルを交換したり、メインポケット内の私物を整理したり、ストックを収縮または伸展させることで、休憩後は立ち止まることなく次の休憩ポイントまで歩きやすい条件をつくり出すことができます。
この写真は「中の茶屋橋梁」の下から撮影したものです。写真を見ていただくと、向側から手前側に坂が上がっているのは分かりやすいと思います。もう一つは、左側の地面が低く、右側の地面が高くなっていることが分かるでしょうか。この表参道は写真に対して左側の下から「中の茶屋橋梁」までが前半となり、「中の茶屋橋梁」を通過してから右側の上が後半になります。
木の番号ばかりに視線が集中していると森林の葉や花の美しさや香りを十分に感じとれなくなってしまうため、「中の茶屋橋梁」をひとつの目印にするのはどうでしょうか。
上の写真は表参道の終盤です。上方に赤い旗が見えますが、おもにケーブルカーの利用者がその歩道を通って御嶽神社に向かっていきます。呼吸が荒くなってきた頃からケーブルカー利用者たちの楽しそうな声が聞こえてくるため、この最終地点は踏ん張りどころになります。
杉の番号も4・3・2…あと1本というところで、簡単に上がれないのがとても悔しかったです。
1番がこんなところにあるとは。決して隠されているわけではありませんが、見えやすい状態ではないため最後の番号は立ち止まって探す人が多くなるかもしれません。
しばらく上がると御岳ビジターセンター・ふれあいセンター前で杉並木が終了し、ケーブルカー利用者の歩道と合流します。そこでは、AEDの設置がされていたりトイレの利用ができます。ここから御嶽神社までの標高差は約90mですが、景色や旅館・民宿、売店・飲食店に気を奪われていつの間にか到着してしまいます。
御嶽神社まで行く途中の表参道には珍しい花ではありませんが、4月は桃色、5月は緑を美しく見せる色が少しずつ増えていくため、同じ山を登山していても季節ごとに印象が違ってきます。
御嶽神社の入口に近づくと、大きな樹木の下で撮影している人が多くいます。私も登山客の通行を妨げてしまいました。撮影は程々にしないといけませんよね。この大木は平安時代から現在まで約1000年を生きている記録があり、国の天然記念物に指定されています。 「神代襷」という名前が付けられています。「神代襷」の写真が2枚ありますが、これは5月と12月の写真です。
「神代襷」を通過すればすぐに御嶽神社の入口に到着します。ここで表参道は終了です。ここは大きな広場になっているため、多くの人が休憩ポイントに利用しています。左側は水場があるため、階段を登る前に参拝者が寄っていきます。右側にはトイレがありますが、桜がまだ花びらをつけて残っていました。
ゴールデンウィーク中は今までに見たことがない参拝客の多さでした。ほとんどは登山客でしたが、登山客の多さも今まで見た中でいちばん多かったです。御嶽神社の人も太鼓を叩いて獅子舞を披露していました。
今回はお賽銭を入れるまでに少し並ぶ程度でした。御岳山のご朱印は今年から手帳に直接書くのではなく、あらかじめ記載されたものを購入して貼る方式になっています。
御嶽神社からの眺めです。写真には屋根が必ず入ってしまいますが、晴天の日はとても気持ちの良い展望を期待できます。
神社の左側から裏の宝物殿に移動できます。
御嶽神社の奥には遥拝所があります。
そして、このオオカミ像の隣に山頂標柱が立っています。登山者を見るかぎり、ここをタッチしている人はあまりいないので、ここを忘れないようにしてください。それにしてもこのオオカミってなんでしょう。御岳山は日本書紀にも記述があるため、それを紹介します。日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際、猿に襲われてしまいました。その時、狼が日本武尊のことを助け、「この山に留まり、地を守れ」と告げました。この狼は御嶽大神とともに救世主として扱われ「おいぬさま」と呼ばれるようになったことが記されているのです。
御嶽神社の階段の途中から大岳山側に分岐するルートがあります。御嶽神社からは日ノ出山に歩くと少しずつ降りて行くことになります。この写真の道を進んでいくと長尾平分岐に到着します。大岳山と御岳山の間には渓谷があり、綾広の滝や七代の滝へ向かうために長尾平分岐から降りて行くことになります。登ってくる際は、ロックガーデンと言われるコースを利用すれば大岳山側のルートに合流できます。
この木は「天狗の腰掛け杉」です。奥ノ院へ行くための分岐地点にこれが立っています。御岳山と大岳山の間には標高1077mの奥ノ院と1084mの鍋割山があります。集団で登山をする際、各登山者のレベルや身体条件、性別、年齢にばらつきがあるときは最短ルートを選択していくのが適切な手段になります。しかし、最短ルートはなかなかパワースポットや魅力的な通過点が少ない特徴もあります。そういうときは、最短ルートでも魅力を引き付けられるような山を選択していくと登山初心者の心を引き付けやすいことが考えられます。
御岳山から大岳山に移動すると地面にあるものが少しずつ変化していきます。御岳山側は土や小石、木の根が多くありますが、大岳山側に行くにつれて石が大きくなり、しっかりとした岩が多く目立つようになります。大岳山は急こう配の岩斜面で針葉樹林が成長できずに倒れている姿をたくさん見受けられます。大岳山へ繋がるすべてのルートが合流する地点には崩壊した作業小屋があります。そこからが大岳山の本番になります。
カップルが愛を繋ぐように抱きしめ合いながら一生懸命に登っていきます。岩場を登っていくことが多く、石や岩が落ちてくるリスクもあるため、前の登山者との距離をうまくとりながら進まなくてはいけません。鎖のインパクトが強く、進む前にレベルを勝手にイメージしてしまう人も多いと思います。
じつは、大岳山側にも神社があります。名前は「大岳神社」で作業小屋から25分程度で到着します。ここにはトイレもあり、休憩できる広場があります。この日は登山客が多かったため、お昼休憩は山頂ではなくここでとりました。
大岳神社を通過した後も岩場が20分程度続きます。
8:30にJR御嶽駅を徒歩で出発し、14:00に大岳山の山頂へ到着することができました。今回は、集団での登山になったため、普段とは違ったペースで歩くことで楽しい登山ができました。
下の写真は薄く富士山が写っています。奥多摩から眺める富士山の景色の中で大岳山は有名ポイントになっています。
登山では、日照(日没)時間に対して所要時間を計算しておかなければなりません。この2つを見ながらお昼休憩時間を設定すれば、スタート地点の時間が見えてきます。少し心配なら所要時間を1時間増やしてみましょう。もっと心配なら2時間増やして下さい。登山ガイドにある時間を基準にしてこの方法を2回ほど試してみると自分のレベルを客観的に評価できます。次は真夏の大岳山をチャレンジ。