失くした1/5
2017.05.05 08:53
ものを掴む時はいつも親指だけ反対側に居るように、いつも1人だけ向こう岸に立っていた。
河へ落ちることを想定しているのか、橋を架けようと船を渡そうと、溺れもせず、決してこちらへ来ようとすることも無かった。
その5分の1が大切だったかどうかは分からない。
ただ、どうにも心にぽっかり穴が空いたような感覚があって、それはあと1ピースだけというところまで辿り着いたパズルのようで、それでいてそこにお行儀よく収まってくれるピースなんて無くて。
いつまでも完成することのないパズルは
ここで終止符を打ち、
今日、分母は4になった。