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決算調整のチェック一覧。引当金の要件。

2021.11.11 23:45

10-1④決算調整のチェック一覧。引当金の要件

引当金とは、

将来的に発生の可能性が高い費用・損失であること。

計上の時点で、費用・損失の原因が発生していること。

計上する費用・損失の金額が合理的に見積れること。

※参考資料:企業会計原則注解18


引当金を設定するには、上記の3つの要件をすべて満たす必要があります。

引当金の分類と代表例

引当金は、目的によって

「評価性引当金」、

「負債性引当金」

に分類されます。また、負債性引当金は、債務性の有無によってそれぞれ勘定科目が設定されています。

評価性引当金とは

「損失」に備え、資産から控除(マイナス表示)し計上するのが評価性引当金です。

具体的には

「貸倒引当金」や「投資損失引当金」などが該当します。


■債務性がある負債性引当金

名称 目的

①賞与引当金 翌期、従業員に支給する賞与に備えて計上する

②役員賞与引当金 翌期、役員に支給する賞与に備えて計上する

③特別修繕引当金 1年を超える有形固定資産(工場)の修繕に備えて計上する

※1年以内の修繕は「修繕引当金」となります。

④製品保証等引当金、 リコールや1年保証などの無償修理・交換に備えて計上する

⑤完成工事補償引当金 主に建設業者が、完成工事の瑕疵担保責任の発生に備えて計上する

⑥工事損失引当金 主に建設業者が、赤字が発生する可能性の高い工事に備えて計上する。

⑦売上割戻引当金 売上などに応じて支払う「売上割戻金」の発生に備えて計上する。

⑧返品調整引当金 当期に売り上げた商品を次期以降の返品に備えて計上する

■債務性がない負債性引当金

①修繕引当金 1年以内の有形固定資産(工場)の修繕に備えて計上する。

②特別修繕引当金

※1年を超える場合。

③損害補償損失引当金。

 将来発生する可能性が高い事故、訴訟などに備えて計上します。

④債務保証損失引当金 次期以降の債務保証の履行に備えて計上します。

なお、法人税法では基本的に引当金の計上が認められていませんが、中小企業では例外として「貸倒引当金」のみ損金算入することができます。


※2018年度の税制改正で「返品調整引当金」が原則的に計上できなくなりました。