かながわ芸能歳時記 「浦賀の虎踊り」
アクロバティックな技を演じる
「浦賀の虎踊り」
(横須賀市西浦賀/為朝神社/6月)
浦賀の虎踊りは、横須賀市西浦賀の為朝神社で、毎年6月の第2土曜日、境内に仮設舞台を設けて行われます。享保5年(1720年)に奉行所が伊豆下田から浦賀に移転した折りに伝わったとされ、県の無形民俗文化財に指定されています。
近松門左衛門の「国性爺合戦」の主人公「和藤内」の虎狩りが題材です。はじめに、歌舞伎風の隈取りをした男児の「和藤内」が、唐風の衣装と髭をたくわえた「大唐人」に踊りを所望します。すると、揃いの唐服を着た10人ほどの女児が扮する「唐子」たちが現れ、一列に並んで踊ります。その後、2頭の虎が登場。「大虎」には大人が、「小虎」には子どもがそれぞれ前脚後脚の二人が入り、一本杉(逆立ち)、虎返し(バク転)、しっちょい(2足立ち)などのアクロバティックな技を演じます。最後は、和藤内が神社のお札で虎を退治して幕となります。
2012年6月9日(土) 撮影:よこすかの文化遺産を活かした地域活性化実行委員会
* 国性爺合戦 : 日本人を母に持つ国性爺(史実では国姓爺)をモデルに
した和藤内が明朝復興を目指す活劇。もとは人形浄瑠璃。後に歌舞伎化された。
* 虎返し:二人で1頭ですので、本当にバク転はしませんが、二人一組
でそのように見せる見事さがあります。
監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬
写真提供:横須賀市教育委員会生涯学習課
●同時期(6、7月)開催のその他の祭り
江ノ島囃子(藤沢市江ノ島/日付未定)→詳細:藤沢市片瀬地区ポータルサイト
住所:神奈川県横須賀市西浦賀4-12 鎮西八郎為朝神社
交通:京急「浦賀駅」下車 バス[千代ヶ崎経由久里浜駅行き]
「西浦賀4丁目」下車 徒歩2分
京急「久里浜駅」下車 バス[久19]「西浦賀4丁目」下車 徒歩2分
日時:毎年6月第2土曜日19:30~21:00(雨天中止)
お問合わせ:横須賀市教育委員会生涯学習課 046-822-8484
Photo(上から)
お札で虎を退治する和藤内
しっちょい