神から始まる
5月7日
フィリピの信徒への手紙1章1-11節
パウロはフィリピの教会へ手紙を書く。
何か伝えたいことがあるから、何か必要なことがあるから。
パウロは教会の迫害者。それが回心をした。
世界がガラッと変わる体験をした。
フィリピの教会はパウロのことをとても大切に思っている。
パウロが囚われて心配をしている。
良い心、美しい姿勢。
ところがパウロはこの教会に「それは違う」と言わんばかりに、手紙を書く。
パウロの世界観では納得できない。パウロはどのような世界観を持っていたのか。
「キリストの日」「愛」。
短い箇所で、この言葉が繰り返される。
パウロの世界観の表れだろう。
「キリストの日」
それは喜ばしい日、私たちの思い、予想をはるかに超えた素晴らしい日。
パウロは「この日のための備えをせよ」と語る。
パウロには明快な未来像がある。
時間は素晴らしい方へと進んでいる。
フィリピの教会はパウロのことを心配する。
それは良い思い。
だがそこには未来に悪いことを想定している。
パウロは「違う」と言う。
未来はそういうものではないと。
「愛」。
愛が増すようにと記す。
愛がまだ足りない。
愛とは何か。
「私」と「あなた」
「ここ」と「あそこ」
「私たち」と「彼ら」
「と」は壁。
「あなたの罪」は「私の罪」。
だから十字架。
十字架には「と」はない。
壁はない。
愛は壁を認めない。
敵を愛せ。
敵と味方。
「と」を乗り越えるのは「愛」。
フィリピの教会も、私たちも壁と直面し、その壁に勝てない。
挫折、死、壁に潰されると思っている。
パウロは「違う」と言う。
「愛が足りないからそう考える」と言う。
神に愛されている。
この世界は「愛」でできている。
ならば壁はない。
未来は壁に向かっているのではない。
希望に向かっている。
信じる。
信仰、希望、愛。
パウロの見ている世界ははっきりしている。