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ボルダリング・野口啓代、東京五輪で金メダルを目指す

2017.05.08 00:05

【スポーツ報道】 平成二十九年五月六日と七日の両日に東京・八王子にて、『IFSCクライミング・ワールドカップ ボルダリング八王子二〇一七/国際スポーツクライミング連盟(IFSC)、日本山岳・スポーツクライミング協会』が開催された。両日の入場者は四千人を超え、昨年に埼玉・加須で開催された大会よりも三倍以上も集客。七日の決勝チケットは完売となった。


最大傾斜が百六十度の決勝は男女十二名が、男女で異なる四課題(コース)に挑んだ。女子は十八歳のスロベニアのヤンヤ・ガンブレット(己卯、写真上)が二回目、男子は二十八歳のロシアのアレクセイ・ルブツォフ(戊辰、写真下)が三回目の優勝となった。女子の二位は二十七歳の野口啓代(己巳)、三位は十九歳の野中生萌(丁丑)。男子の二位は二十歳の楢崎智亜(丙子)、三位は二十三歳の渡部桂太(癸酉)。日本勢のボルダリング大国を見せつけたが、自国開催で男女とも華々しく飾れなかった。


本ワールドカップは毎年、複数の都市で開催されるシリーズ戦で、ボルダリングは今大会で四戦目。スポーツクライミングには高さ五㍍以下のボルダリング以外にも、ロープを使用する十二㍍以上のリード、十五㍍のスプリント競技のスピードの計三種目がある。この内、ボルダリングは難易度・強度・不安定度が最も高い。来る東京五輪より正式種目となり注目度が増している。五輪では「スポーツクライミング複合」の種目で、先の三種目を一人の選手が全てを行う案がある。報道現在では、ルールは未決定。




<日本勢の課題>

 女子二位の野口(写真上)は四課題を全て完登したものの、優勝のガンブレットと比べてトライの回数(完全登頂までに挑戦した回数)を重ねてしまった。野口は競技で“自身の納得”に重きを置いている。決勝後に「今日、優勝を狙っていたので凄い悔しいですけれど、決勝の四課題はどれも自分の登りに納得していて。」と述べ、プレッシャを感じていた旨を話した。今後はリフレッシュの為に「外の岩場に行ってみたり。」と、競技以外のクライミングを純粋に楽しみ、次の大会に挑む。五輪について問われ、「勿論、目指すのであったら常に優勝を目指していきたい。」と笑い、東京で金メダルを狙う事を宣言した。



三位の野中(写真上)は「その場その場で冷静に色んな事を考えれた。」と、戦術と判断力が問われるボルダリングを振り返った。重ねて「どの大会でも同じ様にできる様に。」と、十代らしからぬ落ち着きある報道応対で全出場大会での表彰台の目標を告げた。



男子二位の楢崎もトライ数で負けた。順位が確定した時、楢崎は泣いた。表彰式でも涙を少し浮かべており、囲み取材では第四課題の競技中に負傷した右手に氷をタオルで巻いていた。「今迄で一番悔しい。自国開催で優勝できるチャンスだった。落ちそうな時も応援で頑張れた。」と振り返った。第三課題までは連続完登であった楢崎だったが、第四課題が登れなかった。楢崎は昨年の年間ランキングで優勝している。


三位の渡部(写真上)は前回の四月に開催された中国・南京大会で優勝しているので、二大会連続の表彰台となった。「調子が良いか、よく分かっていない。」と囲み取材で自身の調子について幾度も疑問を呈していた。プレッシャは特に感じてない様で、「登りたいっていう気持ちのみ。全て登りたい。」とクライミングへの純粋な完登欲求が強い。日本勢の強さについては、「皆がクライミングを楽しんで練習している。」と、スポーツにとって最も重要な点を強調した。



本ワールドカップのボルダリングは、後三大会が残っている。六月の米国・ベールとインド・ナビムンバイ、そして八月のドイツ・ミュンヘンだ。他の種目であるリードとスピードも含めると十一月まで今シーズンが続く。国内での開催は五月二十日・二十一日の鳥取「日本ユース選手権ボルダリング競技大会」、六月十日・十一日の愛媛「第三十一回 リードジャパンカップ」と八月十二日から十四日の富山「第二十回 JOCジュニアオリンピックカップ(リード)」が予定されている。


『IFSCクライミング・ワールドカップ ボルダリング八王子2017/国際スポーツクライミング連盟、日本山岳・スポーツクライミング協会』

撮影記事:金剛正臣