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黒稜山岳会

空木岳

2021.10.14 15:00

【日程】2021/10/15-16

【メンバー】リーダーU田川さん、E田さん、Aちゃん、KENBOさん、坂倉

【ルート】

2021/10/15(金)

6:00菅の台BC-7:40空木岳登山口(林道終点)-9:10池山の水場-10:20マセナギ-12:00ヨナ沢ノ頭-(大地獄/小地獄通過)-14:10空木平分岐-14:30空木平避難小屋

10/16(土)

5:00空木平避難小屋-6:20空木岳(休憩)7:00空木岳-7:30空木平避難小屋(撤収)8:00空木平避難小屋-9:00ヨナ沢ノ頭-10:20マセナギ-12:00空木岳登山口(林道終点)-13:00菅の台BC

【レポート】

『登山者というロマンチストは美しい山の名に惹かれる。心の中に、まだ訪れたことのない、しかしその美しい名前だけは深く刻み込まれている、いくつかの山を持っている。私にとって、空木岳はその一つであった。』(深田久弥著 「日本百名山」より)

ロマンチスト5名で空木岳(うつきだけ)2,864mに登ってきました。当初は木曽駒から宝剣を経由して空木までの中央アルプス百名山縦走を計画していましたが、「避難小屋は改装中で定員少、幕営禁止」との会仲間からの情報を受け池山尾根から空木岳を目指すことに。小屋で一緒になった方で宝剣山荘から単独で来られた方がいて、『甘く見ていた』『厳しく辛いコースでした』とのこと。コース変更は幸いだったかも。。。

10/15(金)

駒ヶ根菅の台バスセンター駐車場で朝を待ち、快晴の中、林道閉鎖のためスキー場駐車場から歩き出し、林道終点の登山口まで標高差500mの直登を1.5時間。トップは避難小屋泊とは思えない巨大ザックのAちゃん。快調にパーティを引っ張る。このときの頑張りが後々バテバテになる原因になるとは…。

林道終点の駐車場から雲海に浮かぶ南アルプス。この先は緩やかな道で、落ち葉を踏みしめながら歩く。池山水場では大きな丸太の水桶に水が流れていて、冷たい水で喉を潤す。『美味いっす!』。池山避難小屋の屋根が見えるが先を急ぐため寄らずに通過。さほど急登もなく順調に歩を進める。

マセナギ、ヨナ沢ノ頭を通過したところで「ここから先は痩せ尾根」「事故多発地点!」と不吉な標識。すぐに梯子や鎖の登りとなる。ここが核心部の大地獄/小地獄のようだ。どこから大地獄でどこから小地獄か不明も足場はしっかり。さほど緊張することはなかった。遠く千畳敷カールが見える。直登によりグングン標高を上げてくれて助かる。いつしか千畳敷よりも高くなっていた。

核心部を過ぎて小屋まであと1時間だろうか。午後になっても雲ひとつない快晴。『天候は下り坂なので今日の内に山頂に立とう』と話しながら進む。が、何故か歩みが遅い。先頭のAちゃんが30秒歩いて30秒立ち止まる。そういえば口数も少ない。序盤のオーバーペースが堪えた模様。みんな叱咤激励で大忙し。Aちゃんは「叱咤」の方が効果ありと判明した。

その後、通常の半分のペースで空木平分岐。右に行けば巨岩の駒石、我々は今宵の宿「空木平避難小屋」の左へルートを取る。ほどなく避難小屋の建つ空木平へ。ここは氷河の浸食でできた谷で、初夏はお花畑が広がるらしいが、紅葉も終わり黄色い草木が茂るだけであった。

避難小屋は先客1名。その後2名到着。半分のスペースを我々5名で占拠するも余裕あり。15名は泊まれる。掃除も行き届き快適な小屋である。東側斜面のため日没が早い。山頂ピストン2時間とすると時間的に厳しいため登頂は明日にして外宴会開始。日が暮れると急激に冷え込む。早々に小屋内へ移動。この小屋は幽霊が出るとの噂もあるが、夜中何度か起きてトイレも見廻ったがそれらしい姿は見えず、無念。

10/16(土)

4時起き5時出発。同室の3名は下山のみ、早くから起こして申し訳なかった。涸れた沢沿いに急登すると、6時前に農鳥岳あたりから朝日が昇る。その後ガスが出て山頂では眺望なし、残念。山頂は三角点と簡単な標識のみ。記念写真を撮って早々に引き返す。

避難小屋に戻り荷物を回収して下山開始。下山は往路を引き返すが、途中のポイントが分かっているため往路程長くは感じない。池山尾根からは日帰り登山も可能なだけに、健脚のトレイルランナーが飛ぶように降りてくる。林道が復旧すれば更に登りやすくなるし駐車場代も節約になる。地元自治体の早期対応を期待したい。

今宵の宿に入り温泉でマッタリ。翌日は木曽駒登頂の構想もあったが、リーダーが空気読んで中止してくれた。翌日はお約束の筋肉痛。階段下りが厳しい。近くのウィスキー蒸留所を見学、道の駅で激安シャインマスカットを買って帰路につく。中央と南アルプスに囲まれ、駒ヶ根はいいところだ。リーダーU田川さんはじめメンバーの方々、ありがとうございました。

記録/坂倉