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大江戸浮世絵美術館

歌川国芳 見立金龍山開帳の図

2015.10.16 03:53

一見浅草寺の境内の風景を描いているようですが、おそらくは歌舞伎の一場面で当時の人気役者の似顔ではないかと推測します。調べても文献が見つからないのでわかり次第、本文訂正します。

天保の改革は水野忠邦による経済対策でした。庶民にも奢侈禁止、綱紀粛正、緊縮財政を強いられます。性急な改革で失脚しますが、撤回のお触れも出ず派手な役者絵は出版できませんでした。

仕事帰りに浅草寺に寄るボテフリがおかみさんが抱いているあかちゃんを見ているようです、これも

この時代の人が見たら登場人物が誰かわかる仕組みになっているのでしょう・・


おさん、手代と密通関係になり駆け落ちしたところ捕らえられ粟田口で磔にされ晒された実在の人物を井原西鶴の好色五人女等で読み物にした・・石留武助、伊賀越道中双六の登場人物・・


誰だか判りませんが国芳もやう正札附現金男に出てくるキャラクターみたいな感じです。貝合わせのドハデな衣装が目を引きます。


おそらくは三枚組みではなく五枚組で、後の二枚で浅草寺を特定できるような図柄もあったのではと思われます、国芳は作品数も膨大で浮世絵関連の書籍に書かれたり、展覧会に出品されるのは人気のある極一部で、浮世絵販売店で人気のそれほどない図柄の作品は驚くほど安値で販売されています。


この作品は一枚一枚でも販売できるように工夫されています。左の2枚は京都のアート芳桐という浮世絵専門店のオークションサイトから入札して落札して直接お店に取りに行きました。他の販売店と比べると歌川国芳が好きで屋号に芳桐と入れるぐらいの国芳マニアの店で好感が持てます。また手にとって見られるように工夫して展示してあり、安いものは国芳でも1万円くらいから展示してあり、展覧会で見るような作品も常備しています。