空中映画館②沈黙 -サイレンス-
日本へ向かう飛行機の中、2つ目に見た映画は、「沈黙-サイレンス-」。
主人公は、キリシタンが弾圧されていた、江戸時代初期の長崎にやって来た神父・ロドリゴ。
自らの信仰を貫くか、棄教して目の前のキリシタンを救うか…その葛藤と苦悩が描かれた映画です。
印象的だったのは、ロドリゴより前に神父として来日し、政府からの圧力によって棄教していたフェレイラと、ロドリゴの会話の場面。
「なぜ創造主であるイエスの教えを広めてはいけないのか?ブッダは所詮人間ではないか」と主張するロドリゴに対して、「我を捨てよ」と説くフェレイラ。
当時、キリスト教と仏教とは全く相入れなかったということを改めて感じたのと同時に、現在の、個人レベルでは各自の信仰を尊重し合える状況に感謝しなければと思いました。
アメリカでは圧倒的にキリスト教信者の方が多いですが、ヨガや瞑想などを日常的に取り入れ、東洋的な考えをリスペクトしている方も多いように感じます。
(ジムでのヨガ・瞑想プログラムには老若男女さまざまな方が参加していて、ダイエットというよりは精神的なものにフォーカスしたプログラムが多いです)
フェレイラに説得され、完全に棄教したように見えたロドリゴですが、亡くなった後、妻がこっそり棺の中の彼に十字架を抱かせました。
このラストシーン、とても好きです。
いかなるものも、個人の信念には立ち入ることができない、という強いメッセージを込めているようで。
ちなみに、最近漫画で読んだジョージ・オーウェルの「1984年」は対象的で、ぞっとするラストシーンでした…。
この本、トランプが大統領に選ばれた後アメリカですごく売れていて気になっていました。
漫画でイメージがつかめたので、今度は本も読んでみたい!
アメリカに来て、まだまだ知らないことがたくさんあるなと感じるので、人との会話はもちろん、映画や本も通じて視野を広げていきたいです。