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さようならインディアンス

2021.07.21 11:58

米大リーグ・クリーブランドインディアンスは23日、来季からチーム名を「ガーディアンズ」に改称すると発表した。「アメリカ先住民を侮辱している」として、ネイティヴ・アメリカンでつくる団体からチーム名の変更要請を受けたのが2014年。インディアンの「酋長」を漫画ふうにあしらったマークは2018年限りで姿を消したが、とうとう追い詰められてしまった。


当初、改称することに消極的だった球団が方針を変えた背景に人種差別問題の深刻化がある。昨年5月、ミネアポリスで起こった警官によるジョージ・フロイドさんリンチ死亡事件が大きな影を落としていると言われる。人種差別といえば、先の東京オリンピック開会式で大坂なおみ選手が聖火の最終走者に選ばれたことは「多様性と調和」の象徴として海外メディアに高く評価された。一方で日本では「なぜ日本人じゃないの?」とブーイングが巻き起こる。日本と世界、人種差別の捉え方や問題意識の違いがあらわれている。


クリーブランドに誕生したチームが「インディアンス」を名乗るようになったのは1915年のこと。ネイティヴ・アメリカンで最初の大リーガーとなったルイス・ソカレキスに敬意を表したもの。ファンなら誰もが知る史実である。ニグロリーグの伝説的大投手、サチェル・ペイジに活躍の場を与えたチームでもある。はたしてインディアンスは人種差別をしただろうか。106年もの長きにわたり愛された名前がいま消えようとしている。


※写真は1989年公開の映画「メジャーリーグ」の半券。これがインディアンスへの入り口だったというファンも多い。2枚目は「BASEBALL UNIFORMS of the 20th CENTURY」から。「インディアン」がユニフォームに初めて装着されたのは1928年であることがわかる。