IBSのトリガーとなる食品
栄養を勉強するにあたって、読んできたいろいろな文献の中で
IBSにはトリガー(きっかけ)となっている食品があることが指摘されているのを何度も見てきました。
私自身も食生活の内臓への影響を把握できるまでの数十年間
IBSに苦しんでいましたのでとても興味深い内容です。
IBSの症状を防ぐことができればより行動範囲を広げることができますね。
関連の深い食品があることを少し念頭に置いておくだけで、日常生活に役立てることができると思います。
そのようなことでいくつかご紹介したいと思います。
IBSの最大のトリガーフードとは
脂肪分の多い食品です。
脂肪分はそれがどのような形であっても、胃や十二指腸に触れるだけで腸の運動を引き起こします。これは早く吸収されて消化に良いという意味ではありません。
消化器官には神経が張り巡らされており、常に摂取されたものを感知して消化液を分泌したり、腸の収縮を促しています。
腸は計画外の動きをすると膨満感や痙攣を起こしやすくなります。
脂肪分の多い食べ物は消化器官の正常な動きを妨げるのです・
脂肪分の多い食べ物とは?
天ぷら、ポテトチップス、ナッツを想像しませんでしたか?
もちろん揚げ物には脂質が多く含まれますが、
日頃意識せずに摂取している脂質は実は多いのです。
例えば肉魚卵乳製品などの動物性食品には、油を加えて料理をしなくてもそれ自体に脂質が多く含まれています。
私たちは何気なく普段フライパンにオイルを注いで炒め物をしていますが、
熱した調理器具と食品の間に膜をつくってくっつかないようにうるという現象を利用するだけなら、油の代わりに少量の水を使って炒め物をすることもできます。
それから、ドレッシングの代わりにスパイスやレモン汁を利用したり、
トーストに塗っているバターやマーガリンをジャムやシナモンに代えるだけでも
脂質の量をぐっと減らすことができます。
研究によるとIBSの症状を持つ人の半分から3分の2にとって、
不快な症状の発生は特定の食品の摂取への反応であることがわかっています。
その最たる例は上記の脂肪分の多い食品、そして乳製品(乳糖)です。
つまり、脂質を控えた植物性食品を中心にするだけで
IBSの症状は相当改善する可能性が高いです。
植物性食品でもIBSのトリガーとなる食品はありますが
それは一概には言えず、より個人的な要素が強いようです。
例えばカフェイン(コーヒー紅茶など)ある種の穀物、柑橘類、生の果物全般、
豆類、油菜科の野菜など。
しかしそれらによる反応でガスが溜まることがある場合は
IBSというよりもディスバイオシスによる一時的な消化不良かもしれません。
とくに豆類や油菜科の野菜などは腸内のバクテリア環境が整い次第
問題なく消化できるようになりますが、その状態が確立されるまでは
頻繁に少量ずつ食べて、特殊な糖質、食物繊維の摂取にバクテリア環境を順応させる
練習が必要です。
高食物繊維な食品は排除するにはデメリットが大きすぎるので
少量ずつ食べて慣れるのが最善だと思います。
以下個人的な話となりますが、
私自身、乳製品を辞めただけで8割はIBSがおさまり、
動物性食品を排除したら完全にIBSの症状はなくなりました。
試してみる価値は高いと思います。
※全ての脂質が体に悪いという意味ではありません。
体に必要な必須脂肪酸は揚げ物でなく種やナッツの形で摂取できますので
ご注意ください。