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【私立TOSS大学】4限目講義 クラシック学

2021.11.20 10:26
はじめに

投稿が遅くなってしまい申し訳ありません.

ここ数日少しだけバタバタとしてまして,執筆にとりかかることも出来ませんでした.


今回は,クラシックについてです.

古典的な,といった意味の言葉ですが,ここではオーケストラ音楽という風に解釈していただけるとよろしいかと思います.


オーケストラとは

一般にクラシック音楽というと,ベートーヴェン交響曲第9番やビゼーのカルメン組曲などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか.


この講義内での認識も,同様でOKです.


100年以上も前から流行り廃れが激しい現代を,長きにわたって愛され続ける名曲です.

クラシックについてだけ話していくとあまりにキリがないので,今回はきちんとバンドに絡めてお話ししていこうと思います.


クラシックは元ネタである

クラシックについて,多くの方が「退屈だ」「堅苦しい」という印象を持たれているのではないでしょうか.

実際それは,感じないほうが無理があるというか,高級フレンチのように決まった形が存在し,そこにはマナーが付随してきて初心者には優しくないというか.

その堅苦しさもクラシックの魅力の一つでもあると個人的には思っているのですがね.

とはいえ,筆者は4歳から音楽教室に通う中で,クラシック音楽を聴く機会は同年代の中では多少なりとも多いほうだったので,そもそも敷居の高さを感じません.

慣れの要素も多いです.


しかし,慣れのない方々でも,クラシックを身近に感じ,楽しんで聴ける方法はたくさんあります.

その方法の一つをお伝えするキーワードが「クラシックは元ネタである」という言葉です.


この言葉は筆者の言葉ではなく,筆者の敬愛するキーボーディスト 江崎文武 氏とヴァイオリン奏者 常田俊太郎 氏,小田朋美氏の対談の中で出てきた言葉です.


江崎氏が参加するバンド「millennium parade」のFAMILIAという楽曲は,まさに最近のPopsのブームに則ったようなemotionな響きのする曲で,筆者お気に入りの一曲です.


中高音域のピアノから始まり,それにストリングスが絡んで

曲が進むと2オクターヴ下のヴォーカルも入ってきたところから低音が参加し,レンジ(音域)がぐっと広がる作りになっています.

そこからは,ずっと一貫した作りで,盛り上がったのちの解放感も決して荒々しい「破壊」にならないよう工夫がされています.

実はこの曲,製作途中で色んなクラシック音楽を聴きながら生み出したものだそうです.

その中の一曲が,モーリス・ラヴェルの「マ・メール・ロワ」です.

ホルンの旋律やストリングスの質感を,シンセパッドなどで再現しつつ作品の中に取り込んでいった結果,FAMILIAが誕生したようです.


もっと有名どころでいえば,ビートルズの「A Day In The Life」の終わりかけにストリングスが多層に積み重なりカオスになって終わるのですが,その手法もルーマニア出身の作曲家 クセナキスに由来していると明かされています.


元ネタを知ってみよう

クラシックを聴くことに関して,すぐには越えられない壁があるように見えるのも仕方ないのかなと思います.歴史を知ってから,場面を知ってから,でないと聴いてはいけないというわけではないのだけれど,そういった雰囲気を感じてしまう.無理もありません.

あんな長い曲をゆったりと聴いていられる時間も現代にはありません.作曲当時の100年前とは世間がコンテンツに求める所要時間が圧倒的に違うため,なかなか聴こうとも思えないかもしれません.


しかし,今世間に溢れるバンドの有名曲の数々に実はクラシック音楽が潜んでいたと考えると,最初の30秒だけでも聴いてみようかなと思ってくださる方もいらっしゃるのではないでしょうか.

そもそも,昔のクラシック音楽はBGMとして作られています.飲んだり歌ったりして聴くようなPopsくらいのノリで楽しむのも決して間違いではありません.


軽めのノリで「聴いてあげようかしら?」のスタンスでも,少しでもクラシックに関して身近に感じてもらえると幸いです.


本日の課題

本日の課題は,何でも良いのでオーケストラ音楽を聴いてみることと致します.

時間のない方には,アントン・ウェーベルンという作曲家の曲をお勧めします.

1分やそこらの短い曲を書いているオーストラリア出身の音楽学者です.

ではまた,お会いしましょう.

次回は,講義形式のBlogではないものを予定しています.お楽しみに.