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岡山大学を正常化する会

槇野博史学長の「写真集」を巡る疑問の数々 ―皆さんはこの記事を読まれてどう思われますか?―

2021.11.21 08:25

 本ホームページでも取り上げている岡山大学槇野博史学長が出版してきた写真集について紹介し、筆者なりに若干の分析を試みたいと思います。写真の芸術性云々の評価は、本レポートの趣旨と異なり、筆者の専門外ですので、もちろんいたしません。

 現在、筆者が入手した写真集は20冊で、いずれも槇野学長自ら撮影した写真が多数掲載されています。


病院長時代を中心とする多量の写真集出版

 発刊は2005年から2016年にかけてであり、ほとんどの写真集の著者は槇野博史氏本人、発行は株式会社メディカルレビュー社、制作・印刷は株式会社中野コロタイプです。20冊が総数だとすると、1年間に平均約2冊出版されていることになります。そのうち、病院長在任中(2011年~2017年)に出版されたのが13冊ですから、かなりの数の写真集を病院長としての多忙な激務の中で出版されたことになります。

 20冊の写真集は総計1565ページ、写真の枚数は総数1735枚で、1冊当たりの平均ページ数は78ページ、写真数は87枚です。写真集には、多数撮影した写真の中から選ばれたお気に入りの写真を掲載されているでしょうから、これだけの写真集を作るためには、相当数の写真が必要だったでしょう。撮影機会もかなりの回数必要だったのだろうと思います。そのために、槇野学長は沢山の時間と経費を費やされたのだろうと、写真撮影の素人ながら筆者は推測いたします。もちろん、ご自分の趣味に、公務以外のご自分の時間を費やされ、ご自身のお金を費やすことについては、異議を申し立てるつもりはありません。


写真はいつどのようにして撮影されたのだろうか?

 海外で撮影した写真が掲載されている写真集は13冊ですが、写真を撮影する目的で海外旅行をされたのでしょうか?それとも、海外の公務出張や学会出張等の際に、休憩時間や移動時間等を使われて撮影されたのでしょうか?写真集の中には、海外学会出張の際の移動や立ち寄り先での写真という記述が出てきますが、これだけ数が多いと、公務を逸脱することはなかったのか、ご本人に確認したくなります。国内の写真のうち、岡山県外で撮られた写真が掲載されているのが5冊で、遠くは北海道や沖縄県の写真も掲載されています。「美瑛の四季」という写真集は、北海道の美瑛周辺の風景写真が掲載されていますが、遠い北海道に四季にわたって通われるというのは、非常に大変だっただろうと思います。また、「写真と童話で訪れる野口英世のふるさと ー博士と考えるインフルエンザー 」という写真集でも四季の写真が掲載されています。これらを考えると多忙な内科教授、病院長であった槇野博史氏が、どのようにして、国内外の遠隔地での多数の撮影機会、撮影時間を都合したのか、疑問を感じます。


写真集の目的は?

 写真集の題名を、出版年代順に以下に示します。

1,後楽園の四季(2005年)

2,憧れのカッパドキア・イスタンブールの人々(2007年)

3,オランダ物語(2008年)

4,写真と童話で訪れるアルプスと高血圧(2009年)2000円

5,写真と童話で訪れる北欧と関節リウマチの話(2009年)2000円

6,熊野古道と慢性腎臓病ー徐福不老不死の薬を求めて(2010年)2000円

7,写真と童話で訪れる野口英世のふるさとー博士と考えるインフルエンザ(2010年)2000円

―――2011年4月に岡山大学病院の病院長に就任―――

8,写真と童話で訪れる沖縄とメタボリックシンドローム (2011年) 2000円

9,糖尿病PhotoBook (2011年)

    シスメックス株式会社(非売品)

10,美瑛と大雪の四季―風と空と樹とー(2011年) 2000円

11,糖尿病性腎症とナイアガラ (2012年) 2000円

12,写真で訪れるチャペルヒルの道―ANCA関連血管炎のルーツを探る (2012年)2000円

13,黄金に輝く仏教徒の国ミャンマー (2013年)

14,CKD PhotoBook (2013年)

    シスメックス株式会社(非売品)

15,シカゴ物語 (2013年)

16,写真と童話で訪れるアンコール遺跡群と乳がんーがんの予防と共存を考えるー (2014年)2000円

17,写真で訪れるベルギーと糖尿病治療薬―小便小僧に会いたくて (2014年)2000円

18,わしは北斎(2014年)

    教授退官記念の同門会のプレゼント

19,岡山の医学・学問と文化を訪ねて(2015年)

    第49回糖尿病医学の進歩 記念出版

20,世界の運動風景 (2016年)

    第6回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会市民公開講座(腎臓と運動)

 このように、病気や健康に関連した題名がついているのが12冊あります。患者さんや医学生の啓蒙、教育のために作られた写真集だとご本人が言われていると伺ってますが、なぜか、病気と直接関連しない写真が写真集には多数掲載されています。いや、むしろ、そういった写真の方が遥かに多数です。例えば、「写真と童話で訪れる沖縄とメタボリックシンドローム」という写真集では、計93枚の写真が掲載されていますが、あきらかに病気とは関係がないと思われる沖縄の風景や草花の写真が72枚掲載されています。「熊野古道と慢性腎臓病ー徐福不老不死の薬を求めて」という写真集にいたっては、病気と関連する写真はほぼ皆無です。

 また、「シカゴ物語」というシカゴの建築写真などが掲載された写真集もあります。不思議なことに、この写真集は病気と関係なく、また、価格が本に掲示されていないのにもかかわらず、ご自分の出身教室が研究費で購入されています。さらに、槇野学長のご家族の文章(俳句等)や写真が掲載されている写真集も4冊ありました。いくら何でも、そのような写真集は、教室は購入されていないと思ったのですが、ご家族の写真や文章が掲載されている「シカゴ物語」は、前述のごとく教室が研究費購入されています。

 筆者が入手した写真集のうちには、表紙の裏に槇野学長直筆の署名が書かれているものがありましたが、これらは個人等に槇野学長が寄贈されたのでしょう。そういえば、筆者が存じ上げているある大学の学長も、槇野学長直筆の署名入り写真集をいただいたと言われてました。かなり「気前良く」、多くの方々に自分の写真集を署名入りで差し上げているようです。

 ご自分の写真を多数の皆さんに見ていただきたいという気持ちがそうさせるのでしょうか?これらの写真集の目的が、患者さんや医学生の啓蒙、教育のために出版されたとしたら、その目的とは全く合致しないバラマキの配布行為ではなかったのかと思えます。  

 各写真集は1000冊以上の単位で教室が購入されていますが、その管理はどのようにされていたのでしょうか?教室の研究費で購入した物品については、当然その管理も教室により帳簿等をつけながら整然と為されなくてはならないはずです。果たして、管理記録等はあるのでしょうか?個人の写真集のバラマキの配布行為のために教室の研究費が使われたとしたら、「公私混同」といわれても仕方がないことになります。ご本人ならびに腎・免疫・内分泌代謝内科学教室に実態と真意を問いたいところです。


写真集を巡るお金の疑問

 価格がついている写真集は10冊です。本ホームページでも指摘しているように、病院長在任中にご自身の出身教室である腎・免疫・内分泌代謝内科学教室が、教室『研究費』を1500万円使って多数の写真集を出版社から購入していますが、そのほかにどなたが購入されているのでしょうか?民間の関連病院等が購入されているのでしょうか?書店で購入することはできるのでしょうか?筆者はもちろん知る由もありませんが、どなたかご存知でしたら、販売経路等について本ホームページあてに「皆様からのご意見」でご教示いただければと思います。

 「槇野博史 写真集、購入」をキーワードにしてインターネットで検索してみると、インターネットで購入はできますが、出版社が正規に販売しているだけではありません。写真集の所有者がインターネットオークション等で販売しているようです。その場合、本来の販売価格よりはかなり低い金額が設定されています。例えば、前出の「写真と童話で訪れる沖縄とメタボリックシンドローム」という写真集の定価は2000円ですが、インターネットでは200円で販売されています。貴重な研究費を使って購入されるような高額の写真集が、このように価格的に低く評価されて巷間に出回ることは、岡山大学関係者としてもいかがなものかと思います。

 ところで、これらの写真集では、出版社から槇野学長への印税はあるのでしょうか?自費出版でも印税がつくことは、法的にも保証されている著者の権利です。上記のように、出身教室が、研究費を使って槇野学長の写真集を出版社から購入しているという事実があるので、もし印税があるとすれば、研究費が著者である槇野学長個人に還流されたことになります。筆者の素朴な疑問です。通常では、そのようなことはあり得ないでしょうが、槇野学長は、この点も明らかにするべきではないでしょうか。そうでないと、今問題になっている「日大事件」の二の舞になり、司直のメスが入りかねません。

 教室による写真集の発注方法も、大学の事務の眼を通さずに直接教室が発注できる50万円未満の金額で分割して発注する「分割発注」という方法を使っていると思われます。これは国の関係機関では禁止されている契約方法であり、会計検査院もしばしば違反を摘発していますが、もちろん岡山大学でも許されない行為です。例えば、2000円が定価の本を1000冊購入するとすれば200万円支払わなくてはならないので、50万円を超えることになり大学事務会計係のチェックがいります。一方、槇野氏のとった方法は、1回の発注は200冊として、40万円の支払いに抑え、それを5回繰り返すという方法で、意図的に事務のチェックをすり抜けるようにしているように思えます。これでは、事あるたびに大学本部からの通知で周知し禁止されている「分割発注」そのものとしか思えません。あざといと言うだけでは済まない、使途隠蔽を目論んだ社会的に容認できない方法と言われても仕方がないでしょう。

 寄付金による教室の研究費は、関連病院、個人、企業などがその教室の研究や教育活動を助成するためのものです。研究費支出は、そもそも事務会計係のチェックや監査の対象となり、教育・研究活動に限定して使用することが厳しく求められている、というのが筆者の認識です。大学教員であれば、それは全国共通の認識と思います。これらの写真集をそれらの研究費で購入することが、その本来の目的に適合するのか、本ホームページがかつて指摘した研究費の不正使用という根本的疑問にも、やはり言及せざるを得ません。


疑惑だらけの写真集を多数出版された槇野学長は岡山大学学長としての資格があるのでしょうか?

 20冊の写真集を拝見し、簡単ではありますが、筆者なりに分析してみると、このように様々な疑問が噴出してきます。現在、学長として公的な立場にある槇野学長は、これらの疑問にきちんと答えるべきだと思います。  

 そして、さらに思うのが、このような疑問だらけの写真集を多数出版された方が、国立大学法人岡山大学学長として資格があるのだろうかという率直な疑問です。

 写真に関していえば、槇野学長には、病院長時代に公費である病院運営費交付金を使って自分の撮影した写真を写真パネルとして額装し、写真題名と自分の名前を示すプレートを付けて岡山大学病院内のいたるところに飾った過去もあります。また、大学病院だけでなく、学外の複数の関連病院でも槇野学長の写真が院内に飾られていたという事実もあります。ご自分からそれを強要されたことはないと思いたいですが、岡山大学関連病院長会の会長をされ、あるいは関連病院に医師を派遣する立場の内科学教室主任教授として、関連病院に対して強い立場にあったことを自覚されるとすれば、このようなことはあってはならないと筆者自身は考えます。

 再び問います。写真問題に示されるこれらの個人的資質から考えて、槇野学長は岡山大学のトップリーダーとしての学長として適任か否か?筆者は否定的であると言わざるを得ません。

その疑惑を払しょくするためには、槇野学長は自ら何らかの形で、本文書が示した疑問に答えるべきだと思います。私たちのホームページには、「皆様からのご意見」という入り口を用意していますので、ぜひ、槇野学長ご本人からの回答をいただけたらと思います。

「岡山大学を正常化する会」有志