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kojinkai

つぶやきながら反芻する。

2017.04.12 15:08

 小学4年生はまだたった1人しか生徒さんがいません。この子は小学2年生から通っています。初期の頃は本当何からどうしたらいいのかというくらい大変でしたが、何をどうしたらもっと伸びるだろうかな?って割と個人的には楽しい指導だったという記憶が残っています。


 


 宿題が多すぎると泣かれたこともありましたが、私は間違った指導はしていないと突っぱね、「必ずやってくるか辞めるかの二択だよ、それは君の自由だから、わざわざ泣くこともない。ここは選んで来る場所だから、嫌なら他にたくさん塾はある。」とか言って、小学3年生相手にこんなことを言うひどい指導者でした。


 


 初めて行った模試。2年生の時だったでしょうか。算数は2問しか解けず、もう模試は処理にも出さなかったという記憶も残っています。しかし、1年半頑張って、今回の模試では平均点を超えることができました。これは私が想定していた以上の出来栄えでした。計算ミスは0。文章題も全部正答し、ちゃんと成長したなぁ、と思っていますが、それでも私の考える得点水準や解答時間には及んでおらず、一層トレーニングを強化していこうという想いです。


 


 4年生になってからは、計算のみ先取りをして応用問題を解くという流れを作るべく、まだ学校では未習の割り算の筆算を本日は扱いました。どこで身につけたのか分かりませんが、ホワイトボードに書かれていない私の言葉をそのままノートにメモって「ここに気をつけないといけない」とか書いているのが実に微笑ましかったです。解いている時も「1の中に5は入らないから、18から考える。ここは5が3つ入るから、ごさんじゅうご。18から15を引いてあまりが3。あまりが出せたら隣の位を下ろしてきて、次はごろくさんじゅう。32から30を引いてあまりが2。だから、182割る5は36あまり2。確かめ。5が36個とあまりの2を足すから、5かける36たす2。5かける36は36かける5の方がしやすいから、36かける5は180。180たす2は182。もとの数にもどる。よし!次は・・・」と、ずっとつぶやきながら解きます。


 


 初めは集団形式の授業でついてこられなかったら、別時間の個別指導の時間に回ってもらわないといけないかな・・・と恐る恐るでしたが、それでも規定したカリキュラムを断行しました。もはや計算ドリルも駆使してガンガンです。昨年度の小4と遜色なく授業ペースは十分です。なんというか、形式を変えてから「もっとちゃんとできるようになりたい」っていう気持ちが強くなったのか、精神的な成長も見られました。「今日はもう先に学校の宿題を済ませてきました。だから、お迎えまでの残りの時間どうしようかな・・・。本も読みたいけど、今日はなんとなく宿題を先に済ませたい気分。だから、宿題を進めておこう!」って。そんな感じです。


 


 ある時親御さんから聞かれました。「うちの娘は宿題をちゃんとやっていってるでしょうか?」と。私が答える前に子どもさんの方が言ってました。「やってるに決まってるじゃん。結構多いからちゃんと早めにいつもやってるし。」と。「ごめんね。」と謝る親御さんを前に、子どもさんの頼もしさを私も肌で感じましたね。いつもギリギリでやっていたのが、ちゃんと前もって早めにやるようになったと子どもさんから伺い、大したもんだ、と。


 


 分からなかったら、絵とか数直線を書いて考える。あるいは表でまとめてみる。方針がわかったら式を立てる。丁寧に筆算をする。答えを間違いなく単位をつけて表記し、ちゃんと題意に合っていると納得する。これだけ具体的なことを、彼女は1年半、私に連れ添って続けてきたのです。変に小賢しくなく、等身大であり続けたこの子を、私は尊敬すらします。まだまだ私は遥か高みにいますが、付いてきて見なさい、とやや挑発気味に接し、そんな彼女の毎日はあと150週間以上も続くわけです。


 


 このような私と生徒の間にある関係や時間の重みが、変化の礎です。この1年は4年生の学年ということもあり、丁寧にやればやるほど最も変化のみられる1年となることでしょう。