パーリーピーポーの彼の受験、終結。
受験二日前。彼は日曜勉強会に遅刻して来ました。「俺さ・・・やっと分かったよ。なぜ君が学校の先生から評価されず、イライラされる対象になっているのか。それは、君がどう理屈をこねようと関係のないことだ。人が君のために時間を使うことに対し、君がその時間を大切にしようという意識が働いてないからだよ。自分の都合でいつも考えているから、人から評価されない。自分の考え方を持つことと、自分の都合で人の想いをないがしろにするということは別の次元の話だ。君は2週間もくだらない理由で俺が君に対して必要なことをやってあげたいという気持ちをないがしろにした。だから、俺は怒っている。1度目は目をつぶっても、2度目はない。少なくとも、これから君はそのままではずっと損をすることになる。俺は今日一日君に指導する気がなくなったから、もう最低限のことにしか答えたくはない。新しいこと?ためになること?サラサラ話す気は無いね。基本的に君に何か聞かれたらいつも遅れて来た君を思い出して、俺がイライラすると思っておいていい。そんなもんなんだよ、人間の気持ちなんて。」二日前にして説教。本当にその日は私も彼一人に冷たく当たり、受験直前だからということは一切関係なく、ただそれを悔いてもらうことしか、考えませんでした。これで落ちたら俺の責任かもしれないけど、大事なことに気づかないままなら落ちた方がいいとくらいに突き放しました。
受験前日。私は前日のことをさっぱり水に流して、真剣な彼の言葉に耳を傾けました。彼は、反省して改善するという当たり前のことができました。
受験1日目。彼は、国語も理科も英語も、もうダメだと思ったらしいです。自己採点なんていうものを始めてしまい、得意な国語は受験直前までずっと不調で過去問を解いても学校配布の問題を解いても20点を超えず、当日も時間が足りなかったといい、最も得意な理科では自分のミスにたくさん気づいてしまい、英語はずっと苦手でしたから、当然自信もなく・・・。自己採点なんてしなきゃいいのに、って思いもしたのですが、「もうダメかもしれません。合格発表の日、合格したら絶対に報告に来ますけど、合格できる気がしません・・・。」それが、彼が私に残した最後の言葉でした。
受験2日目。彼のプレッシャーは、元々のやや小心者な性格からしてかなりハードなものであったことは容易に理解されます。ずっと苦手意識を持っていた数学が残っていたということも、一つの理由になっていました。本番まで20点を超えたことが一度もなく、それも彼を追い込む一つの理由になっていました。
そして、合格発表日。18時を過ぎても彼の姿は見えず、電話もこない。ダメだったのかな・・・と私はソワソワしながら過ごしていました。しかし、19時半ごろ。突然その時間に開く予定のない扉が開きます。
「先生!!!合格しましたよ!!!!!」
友人と共に、すぐに当日取れた点数表を持って来てくれました。ああ、乗り越えたんだな・・・と。
晴れて、パーリーピーポーの彼は佐賀工業高校電子情報科へ合格を決めました。彼は言ってました。
「中学最後の1年間で、本当に色んなことが分かるようになって、最後には一番苦手だった数学が一番好きになりました。高校へ行ってからの勉強もすごく楽しみです。」
彼にとって、一番言いたかった言葉は、多分合格したということよりも、そういう変化とか、達成とか、将来への意気込みだったのでしょう。だから、そういう言葉を素直に聞けて、私は嬉しかったです。
これで、シリーズ(?)は終結です。長らく彼に興味を持ってブログを読んでくださった方に感謝いたします。