国語で測る子どもの常識。
小5は、「実力アップ問題集」というやや難しめな読解問題集を使いながら毎週国語と向き合い続けています。テーマが面白いと子どもには評判で、指導した数か月後でも内容を覚えていたりして、文章のフレーズを口ずさむ子もいます。これまでは「エフォートⅠ、Ⅱ」を使ってきましたが、「実力アップ問題集」は薄く、しかも解答にも幾分か工夫の余地があり、”これはこの言葉に置き換えたら50字じゃなくて40字でいけるんじゃないか”という議論が生まれやすく、そういう意味では使い勝手の良い教材です。指導者の力量によっては生徒の思考力を存分に活かせる教材だと思っています。
先日、こんな問題に出会いました。
「氷期に豊かな森林形成が行われない理由を説明せよ。」
全員この問題の解答は△を食らってましたので、生徒たちに問いかけます。
「森ができない理由ってシンプルでしょ。植物が生えない理由を挙げてみ。」
「水がないこと。」
「そりゃそうでしょ。超常識。筆者もそう言ってる。しかしそれだとまだ字数が余って色々説明できるし、なんか足りないなって思う説明ないの?」
「なぜ水がないのか?」
「OKOK。その辺修正してもう一回書いて。”〜〜により、水がない。”って感じの説明で縛りプレーしてみようか。」
んで、できた解答の一つ。
”低温低湿で雲ができず、雨が降らないことにより、森林が育つための水が不足したから。”
50字縛りでしたが、言葉を取捨選択しながら40字に収まりました。まあ上出来でしたね、解答としてなかなか美しかったです。
この授業には、飛び級してきた4年生も参加していましたが、5年生と全く遜色ないどころか、それ以上の正答率を挙げています。常識感覚が備わっていれば、国語は無学年です。
これまで小学部はやや国語を手薄にしてきたところがありましたが、来年度は理科社会を平易にする関係で国語に時間を割ける余裕も生まれそうです。というより、国語ができないと他の教科にもかなり影響が出るということを嫌という程思い知り、私は私の最も得意な国語科の指導を全うしようと思いました。
昨年まででも全員が弘学館の国語で7〜9割の得点率を誇っていました。しかし、満足することなく、もっと上級学校の過去問であっても対応できるくらいの国語力は備えさせて中学部へ上がってもらおうというのが私の気持ちです。