頭がいい人の世界はどうなっているのか?
2016.12.07 16:17
生徒から質問がありました。実に素朴な質問で、自分が悩んでいる問題があるとして、それを見た時にどこをみて何を考えているのか知りたいという、そんな理由での質問でした。
うまく言えませんが、”見ただけで何をしたらいいか分かる”っていう状況がそれなのかな?と思います。
将棋の名人の視線の動きをモニター化して、どこを見ているのかという映像を見たことがあります。明らかに視線が一点集中していて、分からない人が見ている場所とは全く違うところを見ているのです。驚くほど、分かってない人は目が泳ぎます。いろんなところを見ます。しかし、経験と知識と感性は、必要な情報量を著しく削ぎ落としてくれます。
例えば、幾何の問題で直角が出てきたら、三平方の定理を思い浮かべたり、円の内接を思い浮かべたりといった公式的な手法がそれにあたるのではないでしょうか?直角が急所になると分かっていれば、基本そこを攻めてみるっていうのが定跡です。
そういう基本を知っているから、基本形となる問題を普通に解ける状態でありますし、変則系が出てきた時に面白いなって思って自分の武器に追加していけるものです。
少しでも近づきたいなら、”一般的にはどうするのか?”っていう、基本定跡となる問題演習を徹底的に積むことですね。パターン演習です。将棋で言えば定跡研究と詰将棋でしょうか?
理解が速い人もいますが、全てがもとより全てをできたわけではありません。何らかの考える機会をもって、武器を増やしてきているのです。その点はしっかり心に留めて、頭のいい人を特別扱いせず、同じように、問題に触れて、手持ちの武器を増やしていく感覚で学んで欲しいものです。